施工管理ブログ

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生コンは生き物

2008年8月26日(火)

こんにちは、吉田です。
現場の人間なのに、めっきり暑さに弱く、最近の夕方の涼しさには大変助かっています。個人的な意見ですが、蝉(せみ)の鳴き声より、蜩(ひぐらし)の鳴き声の方が好きなのも、そんな体質のせいでしょうか。
お題は『夏場の基礎(コンクリート)打設』ですか。
専門家でも賛否両論になるお題ですね。
コンクリートとは何で作られているか・・・
 
セメント+水+粗骨材(砂利等)+細骨材(砂)+混和剤
コンクリートの性能を大きく左右するのが、この水とセメント。
コンクリートの硬化は、この2つが反応して起こります。
この配合はプラントにて設計されており、所定の強度を得るように試験され、使用する水とセメントの量が決まります。
さて、ようやく本題に関わる部分です。
コンクリートが硬化していく段階で、もし、その水分が過剰に蒸発してしまったら、どうでしょう?
セメントからすると結合するはずだったパートナーを失ってしまったような状態です。仮に100個の結合が発生するはずだったのが、20個の水がなくなってしまったので80個の結合しか行われなかった、というような事です。
こうなると強度にも多少の影響を与えるかもしれません。
もっと怖いのは、急激な水分損失による、過度の乾燥収縮です。水で練られたものですから、正常な反応でも乾燥による収縮は起こります。問題はこのスピード。
結合のスピードより収縮のスピードが上回ってしまう、といえば分かり易いでしょうか。折角手を結ぼうとしたのに、手をとる前に離れてしまった、ということです。
これにより発生するのが構造的にも問題になる大きなクラック(ひび割れ)です。
 
 ※収縮自体は避けられませんので、養生しても微細なヘアー
  クラックは発生します。
水の配合が多すぎても同じような現象は起きます。当然ですね、蒸発して失う水分(体積)が多い、という事ですから。
これらを防止するために必要なのが、養生となります。
221taketi 038.jpg
↑↑↑↑ (ちょっとシートを押えるものがなかったので、見栄えが悪いですが・・・・)
養生にも種類が様々、状況により異なりますので、詳細は省略させていただきます。
直射日光を避ける、風を避ける、というのが大切です。
養生が困難な状況なら夕方に打設するのもいいですね。
又、コンクリートを打設した次の日も大切です。表面は硬くなっても中はまだまだ硬化途中です。ここで散水したりして、湿潤状態にしてあげることも正常な硬化を促します。
コンクリートは生き物。大事に大事に扱って、確り育てることが大切なんですね。
次回は、私よりもっと夏が苦手な名古屋の村瀬!
 お題は『名古屋の職人さん』で。

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