シックハウスの原因 ③空気環境 （２）化学物質 【最終回】
お元気ですか？
水曜ブログでしょーの時間です。
ナビゲーターを務めますのは、やっぱり私、名古屋店トップエイジの池田です。
これまで３回に渡ってお送りして参りました、シックハウスの原因シリーズも
いよいよ最終回です。
■シックハウスの原因シリーズ
そもそも、今さらシックハウス？と言うおもむきには
■シックハウスは減ったのか？をご覧ください。
今回も、よろしくお付き合いのほど～。
と、言うことで、最後に揚げるシックハウスの原因は「化学物質」。
ここまで、電磁波、温湿度と扱ってまいりましたが、明らかな症状を確認できる
ものとしては、「化学物質」は一番イメージしやすい原因ではないでしょうか。
ですから、しっかりと正しい知識を知ることが大切だと考えています。
シックハウスと言う症状が大問題となり、新聞や雑誌などでも頻繁に取り上げ
られたのが１９９８年。そして、その５年後の２００３年にはシックハウス対策法
ができました。 ↓（国交省HPより）
上記は、国土交通省のHPに掲載されている表ですが、この規制自体は
表にもある通り、厚生労働省の定めた「指針」です。
ご覧の通り、たった１３種類の物質に対する規制というだけでなく、使用
禁止となっている物質は一つも無い！しかも、それらの示す値（濃度）は
あくまで「指針」なので、この値以上の濃度でも何ら違法ではない！と言
うことです。
この事実を踏まえで、表中の赤い文字「ホルムアルデヒド」と「クロルピリ
ホス」をご覧下さい。
これが、実は日本の建築物に関する規制を管轄する国土交通省が定め
た化学物質に関する規制対象物。・・・つまり、たったの２種類！
ってことです。
クロルピリホスはあまりに毒性が強い為、国交省による規制では「使用
禁止」とされましたが、問題は我々にとっても身近な毒である「ホルムア
ルデヒド」
この表は、ホルムアルデヒドの発散量に応じて区別される製品の表示方法
と使用できる範囲を示したもので、F☆☆☆☆（エフ・フォースター）が最高
等級です。
しかし、表にある通り、その最高等級の製品でもホルムアルデヒドの発散
が認めらています。その量は、１時間１㎡あたり５μg（マイクログラム）と
微量ではありますが、実はここが落とし穴となります。
以前、このブログで書いた通り、２００３年のシックハウス対策法以降は
シックハウスに関する相談事例が激減したものの、２０１０年以降は一定
の相談量からずっと減っていない。と言うのが実態です。
これは、先の化学物質の規制の甘さによるものが原因とも言われています。
つまり、最高等級 F☆☆☆☆の材料についても、ホルムアルデヒドについ
ては、微量ながら空気中への発散を許しています。
そして、実はこのF☆☆☆☆として認められた材料が住宅一軒分となると
とてもつもなく大量のホルムアルデヒドが発散した空気中で暮らしていると
言うことが言えるのです。
ホルムアルデヒドは様々な材料から発散しますが、ここ４０年以内くらいに
建てられた建物で大量に使用される様になった「新建材」にも含まれてます。
ここで、新建材とは何か？と言うことですが、それは
この様な、屋根、構造、外壁、断熱、内装など建物のあらゆる場所に使わ
れている、工場で生産された工業化製品を指します。
そう、みなさんが日々の暮らしでごく当たり前の様に暮らしている住宅で
目にするものはほぼ全てが新建材と呼ばれるもの。
シックハウス対策法では、せっかく化学物質の規制をしたもののクロルピ
リホスが使用禁止である事とホルムアルデヒドの発散量がちょっと規制
されている以外は、罰則の無い指針が定められた化学物質が普通に使わ
れている可能性がある事、そして、人体に有害なホルムアルデヒドは、建
物のあらゆる場所から家一軒分というとてもつもなく大量の室内空気の
汚染があることが考えられます。
そう考えると、シックハウス症候群を訴える人が無くならないと言うことも
うなづけますね。
と、ここまでシックハウスに関する様々なお話しをさせて頂きましたが
原因が分かっても、「じゃ、どうすれば良いの？」ってことが大切ですよね。
私達は、そこに住まわれる方の健康と建物が長持ちする為の家づくりに
取り組む建築会社です。ですから、実際の建物をご自身の目で見て
室内に入って身体で確かめて頂くことで、シックハウスへの対策を理解
して頂ければと考えています。
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