ブログBLOG

自然素材とは

2020.10.12

自然素材住宅という言葉は、既に一般化していると思います。しかし、一口に自然素材と言っても、それは、一体どんな素材を指すのでしょうか?

自然素材というキーワードでWeb検索をすると、トップページからのほとんどが住宅建築会社です。それほど、自然素材という言葉が住宅建築で使われているという事です。

今回は、何気なく使っている「自然素材」という言葉について考えてみます。

自然素材とは

 

 

自然素材とは

自然素材とは、人工的に合成した化学物質を使わず、また、機械による不自然な強制処理をしない天然の素材が持つ性質をそのまま活かせる様に仕上げた、自然のままの素材です。

住宅建築で言えば、室内の壁仕上げに用いられる漆喰(しっくい)や聚楽(じゅらく)、天井や床の仕上げなどに使われる無垢材、昔の木造建築で良く用いられた壁内部の土壁や外装材の木板などは、代表的な自然素材です。

自然素材の室内仕上げ

 

住宅建築で使用される自然素材

いわゆる無垢材と呼ばれるものが多く、代表的なものでは、柱や梁など建物の骨組みである「構造材」や床の仕上げに使う「無垢フローリング材」、内壁の板張り仕上げ材「パネリング材」、室内の天井や壁に塗って仕上げる「漆喰」、「珪藻土」などがあります。

 

■無垢フローリング材の例


美しい木目が特徴のヒノキの無垢フローリング材

 


和風の趣にマッチする杉の無垢フローリング材

 

■塗り壁の例


天然の石灰岩からできる「しっくい」

 

なお、アイジースタイルハウスでは、無垢構造材に加え、外壁と内壁の仕上げに「しっくい」、床仕上げに「無垢フローリング材」を標準仕様としています。

 

アイジースタイルハウスの、各部位の標準仕様はコチラ↓でご確認いただけます。

 

 

自然素材のメリット・デメリット

近年、自然素材は健康志向の高まりと共に注目が集まっています。建築材料として多くの特徴がある自然素材ですが、ここでは新建材と呼ばれる、主に工場で生産される一般的な住宅建築材料と比較したメリットとデメリットについてみてみます。

 

メリット

■経年による変化がゆっくり進む

物である以上、自然素材も時間の経過とともに劣化します。新建材のフローリング(床)材などは、10年程度の短期間に急激に劣化し、補修または交換が必要になります。一方、自然素材は、数十年から100年以上の時を掛けて変化していきますが、これは材料の劣化というよりも「味わい」と言った方が適しており、中にはヒノキの様に伐採後200年程度を掛けて強度を増していくという、劣化とは真逆の性質を持つ自然素材もあります。

 

■揮発性有害化学物質による影響の心配が低い

自然素材にもある程度の化学物質が含まれています。例えば、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドは自然界に存在する化学物質で、新建材だけでなく、自然素材にも含まれていることが知られています。化学物質の人体にとっての危険性は、室内という閉鎖空間で揮発した化学物質に触れることです。工業化製品として人工的に作り出した新建材の多くにはエタノールも含有していることが多く、これが新建材中の様々な化学物質と反応する事で室内への揮発を促進します。エタノールを含まない自然素材は、この様な化学反応を起こす仕組みになっていないため、有害な化学物質が揮発することによる身体への影響の心配は低いと言えます。

 

■室内環境に良好に保つ

例えば、無垢のフローリング材は、伐採後も湿気の吸放湿を行うため、室内の調湿に貢献します。また、壁や天井の自然素材の仕上材としてよく用いられる「漆喰」も、目に見えないほど微細な大量の孔が、空気中の湿気をほどよく吸放湿するので、梅雨のシーズンや冬季の室内の調湿に貢献します。また、この孔に、室内のにおいが吸着されるので、室内の調理などのにおいを短時間に消臭する効果もあります。

 

デメリット

■傷がつきやすい

自然素材のフローリング材では、新建材のように表面をコーティングしていない事が多く、イスなどの家具の移動や物を落とすなどで擦り傷が付いたり陥没したりしやすい材質です。ただし、新建材のように剥がれた表面の下地が見えることは無く、表面と同じ材質や模様が見えるので、傷によって見栄えがみすぼらしくなるとは捉えない方も多いようです。

 

■汚れやすい

上記と同様、仕上げ面をコーティングしない事が多く、壁の漆喰は、頻繁に素手で触れる箇所の汚れやキッチンや洗面所など水回りの無垢フローリング材の油跳ねや水滴の後が気になる場合があります。打合せの際に、どんな汚れが気になるのかをしっかりと建築会社の人に伝え、その対策を一緒に考えた家づくりができれば、住んでからの満足感も高くなります。

 

 

 

いろいろな部位に使える自然素材

住宅建築に使える自然素材は、いろいろあります。

 

構造材

構造材は、土台や柱、梁、桁など、外観を形作り建物を支える骨組みです。

ハウスメーカーやフランチャイズなど、大量生産する建築会社の住宅では、1.5~2cmの細巾にカットした木板の面同士を接着剤で貼り合わせた「集成材」が多用されていますが、昔ながらの無垢材を構造材に用いているところも、まだまだ頑張っています。

集成材にも無垢材にも一長一短があり、一概にどちらが優れているかではなく、家づくりで「何を重要と考えるか」という価値観による選択の違いと考えると良いと思います。

無垢構造材

 

造作材

建具(扉)やカウンターなどの造作材としても活用します。特に、輸入材に押されて国内の木材需要が長年に渡り低迷し続けたことで、国内の森林整備が行き届かずに放置された樹木が、度を越えて大径化することで利用価値がなくなり、更に森林が荒れるという悪循環が、近年の社会課題となっています。

この大径材を有効活用する手段として、建具や階段、カウンターなどの造作材として用いる取組みをしている建築会社もあります。

無垢材で作る造作カウンター

 

下地材

現代の家づくりのほとんどの下地材は、合板です。これは、木材の丸太を大根の皮むきの様に薄くシート状にスライスし、何層にも重ねて接着剤で板状に加工した工業化製品です。大量の接着剤が使用されるため、木材が原材料でありながら、ほぼ透湿性がなく、湿気に弱いという点があります。

現代では合板が使われる部位も、古来は無垢材を使用しており、今でも無垢材にこだわった建築会社では、屋根材の裏の野地板や床下地の根太などに自然素材である無垢材を使用しています。

無垢材を用いた屋根の野地板

 

 

呼吸する素材

自然素材の大きな特徴は、漆喰の様な塗り壁も無垢フローリングなどの木材も、周囲の湿度に応じて呼吸することが特徴です。これにより、梅雨時などの多湿気味になりがちな日も、過ごしやすい室内となります。

 

 

自然素材の価値

工業化製品と呼ばれる新建材と自然素材の選択は、使用する部位ごとに住まい手が何を求めるかによって選択すれば良いと思います。

例えば、変色のしにくさや傷のつきにくさ、コストなどが優先であれば、新建材の価値が活かされます。一方、心地よい肌触り、やわらかな光の反射、有害物質からの回避が優先であれば、無垢材を選ぶ価値が高いでしょう。

 

また、いずれの材料も長所ばかりではありません。

新建材では、傷がつくと下地が見えやすいことや補修した際の安っぽさ、一定期間を過ぎた後の急激な劣化がありますし、自然素材では、傷のつきやすさや価格の割高感、お手入れが必要なことなども知っておかなければ、いずれの選択も後悔することになるかもしれません。

 

私たちの場合、暮らしを支える器となる住宅には、100年以上を経てもなお、建築当時の素材感と長所を損なわなず、長期の使用に耐えることが必要と考えており、その実現のために自然素材を選択しています。

 

どこまでが自然素材なのか?

現代の家づくりでは、外装の木板や壁内部の土壁はほとんど使われなくなり、主に室内の仕上げだけに自然素材を用いる自然素材住宅も多く自然素材で我が家を建てようとする方は、注意が必要です。

また、その自然素材自体も、ひび割れなどのクレームを避ける為に樹脂を混入して割れにくくしたり、アクリル塗装で表面を保護したりする場合も多く、吸放湿性や肌触りという自然素材ならではの特徴を活かさない使い方をしている場合もあります

この様な材料を、工業化製品とは言わないまでも、人工的な処置によって自然素材の持つ特性を損なっており、「自然素材」と呼ぶのには無理を感じます。

 

ロングライフ

今回は、自然素材にフォーカスした内容でしたが、自然素材も新建材(工業化製品)も、どちらが良い、悪いという単純な優劣ではなく、自分達の暮らしを委ねる住宅にどんな価値を持っているのかによって、選択は異なるのだと思います。

私たちアイジースタイルは、同じ家なら、末永く住まい手の暮らしを支え、日々の暮らしの中で快適に過ごせ、人にも建物にも優しいロングライフな性能を持つ家づくりをしたいと考えています。その為には、やはり、自然素材は欠かせない選択ですね。

豆知識くん

豆知識くん

この記事に関連したブログ

EMOTOP浜松

(浜松スタジオ)