もし家を建てるなら

もし家を建てるなら

Ua値とは? 建物の断熱性能を示す指標

/ 家づくりのレシピ /

最近の家づくり計画でよく耳にするUa(ユーエー)値という言葉。
これは建物の断熱性能を表す比較的新しい指標で、ここ10年くらいで建物の断熱性能への注目が高まってきましたが、それとともによく聞かれる様になってきたものです。
しかし、いったいUa値の何をどの様に理解すれば良いのか、分かりやすい解説があまりないようです。

そこで今回は、このUa値について理解をしていただける様記事を書きましたので、どうぞご覧ください。

 

 

Ua値とは?

住まいのUa値とは?

この住宅の世界でとても良く耳にする言葉です。Ua値を専門用語で言うと、「外皮平均熱貫流率」となりますが、正直分かりにくいですね。そこで、専門用語を使わずに一言で言うと、Ua値とは「建物の熱がどれだけ外に逃げやすいか?」を表した数値と言えます。

 

”Ua値=熱の逃げやすさ”ですので、数値が低いほどその家の断熱性能は高い、という事になります。

 

 

Ua値は家によって違う?工法が同じなら値も同じ?

我が社のUa値は〇〇以下です!とHPに書いてあったり説明されていたりする事がよくあります。弊社もその様に説明したり、HPに書いてあったりします。ただし、Ua値は1棟1棟断熱計算して初めて分かるものですので、家の作り方が同じであっても、家の形や大きさ、窓の大きさによって違ってきます。「〇〇工法ですから、Ua値は〇〇以下です」という事ではないのです。

 

私達が、”スタイルハウスの住まいのUa値は0.46以下です。”と言っているのは、自社で決めたUa値以下になる様に一棟ごとに設計し、断熱計算によって確認しておりますという意味です。

 

アイジースタイルハウスのUa値基準値とそのメリットはコチラから。

 

Ua値は低いほど良いのですが…

Ua値=熱の逃げやすさですので、その値は低いほど良いですということになります。

 

WEBやSNSの中で「低すぎるのも良くない。」とか、「バランスが大事。」と言っている一部の人が見受けられますが、そんな事はありません。Ua値が低いほど断熱性能の良い住まいという事で間違いはないのです!

 

ただ、建物内外の熱を出入りしにくくする(=断熱性能を良くする)ためには、性能の良い断熱材を出来るだけ厚く入れる、窓の性能も高いレベルのモノにするなど住まいの建築コストが掛かることは避けられません。ですが、誰でも住宅建築に掛けられる費用には限りがあります。従って、自分達の建てる場所でコストを押さえつつ、快適な暮らしができるわが家の建築を叶えるには、どの程度の性能が必要なのか?」をしっかり理解しておく事が大変重要になります。そして、ここへの理解が(建築のプロであっても)人によって少しづつ違っており、結果、Ua値という言葉が一人歩きしてしまっているのが今の現状と言えます。

 

契約を取りたいがため建築金額を抑える手段として「断熱性能を犠牲にします。」という本音を、上述の様な「(Ua値が)低すぎるのも良くない。」「バランスが…。」とお茶を濁すような説明をしている建築会社があるのは、同じ建築業者としてとても残念に思います。

 

Ua値だけ考えても意味が無い① (何年住みますか?)

実はUa値だけ注目しても快適な住まいにはなりません。

現在の日本で、一年中冷房も暖房も一切使わず快適に暮らしている、という方はまずいないと思います。ほとんどの方は、快適に暮らすために年間を通じある程度の冷暖房を使っているはずです。

 

断熱性能が低い(=Ua値が高い)家では、快適な室内環境を得るために冷暖房機器を強力なモノにしなければならず、高額な設備が必要になりがちです。ただし、断熱性能の向上にコストを掛けない分、全体の建築費用はある程度低く済んでいるはずです。

 

実は、10〜20年ぐらいしかその家に住まないだろうという方の場合、断熱性能が悪くて冷暖房費が高くついたとしても、建築コストを押さえた方がトータルで見ると案外安く快適な暮らしを実現できるかも知れない、という考え方があります。逆に、30年〜50年以上その家に住むかもしれない、という方は初期コストをかけてでも高い断熱性能の家を建て、冷暖房費を抑えた方がトータルで安く済むと言う考え方もあります。

つまり、Ua値だけを重視するのではなく、自分が建てる家にこの先何年ぐらい住むのか?という事を必ず考えた上で、必要とするUa値を理解すべきという事です。

 

Ua値だけ考えても意味が無い② (設計力次第)

住まいの快適さに影響するものに大事な事は他にもまだあります。それは、日射のさえぎりと取り込みの設計がしっかり出来ているか?という事です。

 

例えば、冬場1.6×2.0mぐらいの大きな窓から入る日光のエネルギーは、こたつ1個分に相当すると言われています。これはとても大事な事です。

 

冬に太陽熱を取り込む設計が出来ていれば、こたつ1台分の暖かさを「常にタダ」で作れているという事になります。当然、電化製品で暖める量を少なくできます。逆に夏場では、太陽の熱を室内に入れない様にする設計が必須となります。夏の日射を安易に室内に入れてしまうという事は、その部屋で常にこたつを炊きながら同時にエアコンを使って冷やし続けている様なものです。

 

これは、やっていることが完全に矛盾していると思われましたか?しかし、現在の住宅デザインのトレンドを見ていると、正にこの矛盾した状態を多くの方が積極的にやろうとしているかのようです。現在住宅デザインで流行しているのは、いわゆるボックス型の住宅デザインです。これらの大半は、(一部では日射熱カットの考慮がなされていますが)窓の上には庇も屋根もありません。つまり、夏の日差しさえぎるものは一切ありません。そして窓は年々大型化している様にも感じます。つまり、こたつを1台どころか何台分も炊きながら、全館空調で冷房し費用を掛けながら快適に暮らす様になっているのです。

 

同じUa値の家が2つあったとして、太陽熱を活かした設計と全く活かしていない設計では、当然のことながら冷暖房費に大きな差がつきます。Ua値だけ見ていても意味が無いというのはこのためです。

 

まとめ

これまでの内容をまとめます。

①Ua値とは、熱の逃げやすさ。この値は低ければ低いほど良い(高性能)です。
②Ua値は、建物ごとに断熱計算して求めますので、工法だけでは決まりません。
③長く住むならUa値は低い方が良い。反対に、長く住まないならUa値にこだわらないという選択肢もあり。
④太陽熱を活かした設計で室内の環境は大きく変わる。同じUa値でも快適さは全く違う。

 

Ua値は住まいの快適さを表すモノとして重要な値ではあります。しかしながら、どれほどの値がベストかは、自分が住む年数によってまるで変わるものです。また、Ua値だけで住まいの快適さは決まりません。太陽熱を活かす設計力・考え方も合わせていかないと数字に踊らされて結果的に光熱費が思ったよりかかるだけという事にもなりかねません。

 

住まいの設計をしっかりと検討して頂ければと思います。

/ 家づくりのレシピ /

浜松スタジオ

(EMOTOP浜松)

〒435-0016 静岡県浜松市中央区和田町439-1
TEL:053-466-4000

長久手展示場

〒480-1343 愛知県長久手市石場67
TEL:052-705-1255

名古屋スタジオ

〒465-0093 愛知県名古屋市名東区一社1丁目79
TEL:052-705-1255

豊橋スタジオ

〒441-8112 愛知県豊橋市牧野町143
TEL:0532-38-7420

PAGE
TOP