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高断熱住宅では樹脂サッシをおすすめする理由 アルミ樹脂複合サッシとの違い

高断熱住宅を建てる際、サッシの選択は快適な住環境を実現するためにとても重要な要素です。快適な住環境にはサッシの断熱性能がとても大きく影響します。断熱性のあるサッシには「樹脂サッシ」と「アルミ樹脂複合サッシ」がありますが、両者の特性や違いを比較し、耐久性、断熱性、結露リスクの低減という観点から、樹脂サッシがどうしておすすめなのか、その理由を解説します。

高断熱住宅では樹脂サッシをおすすめする理由 アルミ樹脂複合サッシとの違い

 

1.樹脂サッシとは

樹脂サッシは、特に断熱性能を重視した建物で採用されることが多く、サッシ枠や障子(下図参照)を主に高分子ポリ塩化ビニル(PVC)を原料として製作しています。PVCは耐候性や耐久性が高く、色あせしにくい点が特徴です。さらに、樹脂サッシは熱伝導率が低いため断熱性に優れており、省エネにも貢献します。

 

1.1. 樹脂サッシの主な材質と特性

樹脂サッシの主な材質であるPVCは、耐酸性、耐アルカリ性に優れており、屋外の雨風にさらされる窓枠材料として適しています。さらに、断熱性が高いため、冷暖房の効率が高められることで空調費を抑えることができます

PVCは、いわゆるプラスチックの一種ですが、バケツや洗濯バサミなど一般的な家庭で使われるプラスチック材料のポリプロピレン(PP)とは全く違い、非常に耐候性、耐久性に優れた特性が特徴です。

樹脂サッシの断面
樹脂サッシの主な材質
YKK AP様HPより

 

2.アルミ樹脂複合サッシとは

アルミサッシよりも優れた断熱性があり、製品価格も樹脂サッシより抑えやすいことから、近年、住宅建築での採用が増えています。

 

2.1. アルミ樹脂サッシの主な材質と特性

サッシの室外側の障子や枠を強度のあるアルミ製とし、室内側の障子を断熱性に優れた樹脂製とすることで、シャープなデザインと断熱性を両立した製品です。

アルミ樹脂サッシの主な材質
YKK AP様HPより

 

3.樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシの違い

樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシでは、その素材の違いによるデザイン、断熱性に違いがあります。わが家の建築を計画する上で、年間を通じた室内空間の快適性と外観の窓のデザインとの、どちらをどこまで追求するのか?によって、選択が分かれるところです。

 

3.1. 素材の比較

どちらのサッシも、樹脂部分は上記で述べたPVC製ですので、耐久性に優れており長期間使用しても劣化しにくいのが特長です。強度面ではアルミに劣るため、樹脂サッシでは障子などに一定の厚みやサイズが必要になり、デザイン性に影響します。一方、アルミ樹脂複合サッシは、アルミと樹脂の両方の特性を合わせ持つ製品です。アルミのデザイン性と樹脂の断熱性、双方のメリットを生かしたバランスの良さが特徴です。しかし、一定以上のレベルの室内の温熱環境を求める場合、アルミ部分から伝導する熱によって室内温度に影響を与えたり、結露を発生する可能性には要注意です。

 

3.2. 断熱性能の差異

樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシの断熱性能には大きな違いがあります。まず、樹脂サッシは、樹脂そのものの特性である「非常に高い断熱性」により、室外の温度変化に対して室内の温度を安定させる効果があります。一方、アルミ樹脂複合サッシもアルミサッシに比べれば遥かに断熱性は優れていますが、アルミ部分からの熱の伝わりやすさはアルミサッシと同じであるため、樹脂サッシに比べると明らかに劣ります。これは、どの程度の室内の温熱環境を求めるかによりますが、昨今の高気密高断熱住宅が最低限クリアすべきレベル(HEAT20 G2グレード、C値(気密性能)1.0㎠/㎡以下)を考えると、アルミ樹脂複合サッシでは実現が難しいところ。断熱性の詳しい違いは、次の章で述べています。

 

アイジースタイルハウスの高気密高断熱の性能基準は以下からご覧ください。

断熱性能について

気密性能について

 

4.高断熱住宅における樹脂サッシの優位性

高断熱住宅で最も重要な性能は、建物内外の温度差によらず、室内で快適な温度と湿度で過ごすことができる高い断熱性です。これは、屋根や外壁など建物の内と外の境界となる建物外皮と呼ばれる部位の断熱性能が大きく関わりますが、建物外皮の部位で最も断熱性能に影響を及ぼすのは、実は窓(サッシ)なのです。

 


YKK AP様 HPより

 

例えば、屋外の気温0℃、室内温度20℃、相対湿度50%という国内の冬季で一般的にあり得る住環境としたときの露点温度は9.3℃です。そこで、それぞれのサッシの結露の状態を見てみましょう。下の図は、それぞれのサッシの断面から見た各計測点の温度です。


YKK AP様の画像を当社で加工。APW330の詳細はコチラ

 

APW330というのは、建材メーカーのYKK APさんの樹脂サッシのシリーズの内の一つです。

図の通り、左のアルミ樹脂複合サッシでは、水色の四角で囲った箇所の温度は露点温度の9.3℃を下回るため、すべて結露が発生します。場合によっては、これ以上の温度差や更に低い相対湿度になることも十分あり得るため、1年を通じ室内で快適な温熱環境で過ごすためには、アルミ樹脂複合サッシでは断熱性能が不足していると言えます。一方、右側の樹脂サッシではいずれの計測点でも結露は生じません

 

5. 樹脂サッシのデメリットとその対応策

もちろん樹脂サッシにもデメリットはあります。それらデメリットを知っておくことで、樹脂サッシの採用について適切な判断ができます。ここでは、価格とデザインに関するデメリットとその対応策について説明していきます。

 

5.1. 価格の問題

樹脂サッシは、一般的にアルミサッシの約2倍、アルミ樹脂複合サッシの約1.5倍程度の価格と言われます。しかし、高い断熱性能による暖房や冷房のコスト削減効果が数十年という長期的な視点で見ると大きく効いてきます。そのため、初期投資が高額でも、長い目で見れば経済的な選択と言えます。(下図参照)

樹脂サッシによる冷暖房費の節約金額
YKK AP様 HPの画僧を当社にて加工

 

5.2. デザインの選択肢

デザインに関しては、アルミ製品のバリエーションと比べると樹脂サッシの選択肢は限定されます。これは、アルミと比べた単位当たりの強度の弱さを、樹脂のサイズをアップすることで補うため、アルミサッシでは可能なシャープなデザインが難しいためです。しかし、最近では技術の進化によって、多様なデザインも出始めています。特に、木目調やカラーバリエーションの広がりが見られるため、建物のデザインに合わせた選択もしやすくなってきました。建築会社との打合せで、しっかりと自分の要望を伝え、設計士の力を借りながら検討しましょう。

↑最近では、一見するだけではそれほどデザインが変わらない印象。よく見ると、樹脂サッシの方の障子が太い。

 

6.まとめ

ここまで、高断熱住宅に適したサッシとして、樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシとを比べ、樹脂サッシをおすすめする理由を述べてきました。もし、20年も居住しない様な条件なのであれば、コストやデザイン性の面からアルミ樹脂複合サッシやアルミサッシという選択肢も考えられると思いますが、それ以上あるいはずっとそこに住み続けるつもりで住宅取得を考えるのであれば、1年を通じて温湿度差の少ない温熱環境を実現する高気密高断熱建物であることは、とても重要な要素です。高気密高断熱住宅は、住み手が快適で健康に過ごせ、結露の心配が少ないために建物が長持ちし、冷暖房費などのランニングコストを抑えられることで、経済的にも助かるのです。

 

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