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断熱性能で結露を防ぎ耐久性を高める

2018.5.10

戦後からこれまでの日本の木造住宅は、見た目の豪華さや割安感を重視するあまり、実際には10年前後で再塗装などの補修を繰り返さなければとても住み続けられないものが建てられてきました。
木造住宅に家計の負担を増やさず安心して長く住むのであれば、仕上材や設備のグレード、デザインなどよりも圧倒的に優先して考えなければならないのは、建物の耐久性です。耐久性には、地震などの短期耐久力と日常的な気候変化に耐える長期耐久力が求められます。
ここでは、後者の長期耐久力についてお話しして行きます。
長期耐久力を実現するには、建物の断熱性の高さが何よりも優先されます。なぜなら、断熱性の高さは建物劣化の最大要因である結露を防ぐことで耐久性の向上に大きく貢献し、大切な我が家に長期間住み続けることができるからです。

断熱性能で結露を防ぎ耐久性を高める

 

1.結露は劣化の主犯

建物における結露とは、建物内外の熱が出入りする事で発生する水分です。

冬の朝、起きると窓ガラス一面ビッショリと濡れているのを見た事があると思います。

それが結露です。

建物内外の温度差が大きいほど水分量は多くなりますが、窓ガラスは拭けば済みます。

しかし、窓ガラスと同じかそれ以上の結露が外壁内、屋根裏、床下でも発生しています。

その水分は建物内に留まり、建物を確実に劣化させます

結露は、数年と言う時間を掛けて大切な我が家を蝕む建物劣化の主犯です。

この結露を防ぐのが確実な断熱工事です。

 

2.見えない結露の力

こちらの写真は、住宅の外壁の内部を撮影したものです。

建物を支える重要部材の柱や耐震用の壁が傷んでいるのがはっきりと分かります。

主な被害は、シロアリによる食害やカビ等による腐朽です。

水分を含んだ木材は、シロアリにとって格好の餌でありカビには繁殖地となります。

木材に水分を含ませる、その犯人が「結露」です。

そして、日常生活では見えないこの様な場所で発生しているのが厄介なところです。

 

結露は単なる水分ですが、これがシロアリやカビなどを誘い建物を劣化させるのです。

建築業界には、定期点検の慣習がほとんど無かった為劣化を見過ごしがちでした。

劣化発見は、5~10年後の床下再消毒時かリフォームのタイミングなどとなり、手遅れと言うこともありがちです。

今は、大手でもしっかりした定期点検を謳うところが出始め、改善しつつあります。

しかし、点検口から頭だけ入れて見るだけでは不十分です。

床下も天井裏も潜れるところは全て点検してもらう必要があります

 

3.結露の仕組み

結露は、温度の違う熱が出会った所に発生します。

温度が高いほどその空気中に含められる水蒸気量は多くなり、低い場合はその逆です。

同じ水蒸気量でも温度が高い方が、湿度が低いのはその為です。

ある温度でその飽和限界を超えた水蒸気は、水滴となって現れます。これが結露です。

建物では、屋外の温度と室内の温度が窓、外壁、屋根、床下を伝わって出会います。

その温度差が大きいと、高温だった方の空気が冷やされて水滴となり結露となります。

夏冷えた飲料をグラスに注ぐとたちまち水滴がグラス表面を覆うのと全く同じ原理です。

上の写真は、それが外壁の中で起きたと言うことです。

 

4.結露対策

結露対策は、建物内外の熱が建物を伝わらない様にする事です。

現実には熱が全く伝わらない材料、工法はありませんが、確実な断熱工事は確実な効果を発揮します。

そして、建物の一部分だけ高断熱にするのでは無く建物全体の断熱が必要です。

その為には、屋根、窓、外壁、床の各部位で、断熱性能を左右する「隙間」の無い適切な施工が実現しやすい材料を用いる事が大変重要です。

実際、せっかく高い性能を持つ材料も、現場では不適切な施工によってほとんど断熱性能が発揮されない工事がまかり通っているのも、今の日本の戸建住宅業界の大きな課題にもなっているからです。

 

実際の材料としては、こちらのサイトをご覧ください。

推奨断熱材の例 (リンク先を下部へスクロールしてください)

 

 

また、断熱工法としては次の様なものがあります。

■外壁
・充填断熱
・外断熱
(現在は充填断熱のみが多い)

■屋根
・屋根裏断熱
(現在は天井裏断熱のみが多い)

■床
・吹付工法
・基礎断熱
(現在は床材の裏の断熱パネルが多い)

 

材料はその性能を確実に引き出せる様に設置する事が大前提です。

なぜなら、いくら材料の断熱性能が良くても隙間が多いとほとんど機能しないからです。

 

5.結露と断熱と気密の関係

結露は、雨、風、紫外線よりも圧倒的に建物の劣化を早める最大の原因です。

しかも、住まい手の知らない内に大量に発生しています。

結露が発生しても、素早く水分を建物の外に放出すれば良いと言う考えもあります。

しかし、戦後の住宅は気密性が向上し、隙間が少なく放出しづらいと言うのが現実です。

結露による建物劣化の原因は、次の2点と言うことになります。

・断熱不良による結露の発生
・高気密化による結露の滞留

本来、高気密化は建物内外の空気の出入り(対流)を防ぐことが目的の措置です。

対流によって室内の温熱環境が低下するのを防ぐのに必要な考えです。

 

つまり、断熱性能が高ければ結露が生じず、高気密化自体はデメリットにはなりません。

従って、建物の劣化防止は、まず断熱性能ありきなのです。

 

6.最後に

断熱は非常に幅広く奥も深いのですが、住まい手の健康と建物寿命の鍵を握っています。

大切な我が家の建築の為に、ぜひその他の記事も読んで理解を深めて欲しいと思います。

豆知識くん

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