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JAPAN WOOD PROJECT 定例会レポート【2024年3月度】

/ イベント・CSR活動 /

アイジースタイルハウスが取り組む、地域の森林材を活用した循環経済社会を実現させるための活動「JAPAN WOOD PROJECT」の2024年3月度定例会の様子をお伝えするレポートです。

 

出席者(カッコ内は文中の略称)

静岡県森林組合連合会天竜営業所(県森連さん)

浜松木材工業株式会社(浜工さん)

株式会社鈴三材木店(鈴三さん)

アイジースタイルハウス(吉田)

 

 

活動の再開

吉田:

昨年来の木材価格の高騰問題ついて、ウッドショック前と比べ、名古屋地区と浜松地区の間で想定外の金額差が出る様になり、一時期、このプロジェクトの活動を見合わさざるを得ない状況にありました。もちろんその間も、どの様になれば再開できるかについての話し合いを進めてきました。

 

結果的には、金銭面において各社が色々と譲歩し合うことで、プロジェクトを何とか再開できるところまで漕ぎ着けたというのが、現在の状況です。

 

このJWPの取組みでは、お施主様に地域の良質材を提供しやすくするのみならず、サプライチェーンの最も川上である林家さんにもきちんと利益が還元されることで、持続可能な循環となることを目指している訳ですが、実際その林家さんにもこれまでの取組みでは、ちゃんと利益の還元ができたのかが、私たち建築会社からは見えないんですね。

 

補助金なしでは継続していけない様な林業の体質を変えることも、この取組みのビジョンの一つとしてやってきたつもりなので、いつまでも林家さんが金銭的な余裕がなく後継者もいない、ギリギリのところで何とか持っているという状況をなんとか改善したい。そのために、天竜材の付加価値を上げ適正な価格での流通を維持できる様にしたいんですね。

実際これまでの取組みで、林家さんへの還元はどうなんでしょうか?

 

 

サプライチェーン上流への利益還元

県森連さん:

私見ですが、林家さんへの還元はある程度されたと思っています。先のウッドショックによる木材価格の上昇によるものも含みますが、総合的には業界の利益が上がり、それは当然林家さんにも還元されますので。ただ、今回のことだけでは、先にアイジーさんがお話しされた林家さんの抱える諸問題の解決には至っていない。今の価格帯を維持できるなら、だんだん解決に向かえるかもしれないと思います。

 

吉田:

ある林家さんからの話しでは、組合に入る補助金は、なかなか林家まで行き渡らないということでしたので、ちゃんと還元されているなら良いことですね。

 

県森連さん:

この補助金については、非常にややこしいんです。もしかすると仕組みへの理解が足らず林家さんに届いていないかもしれないし、そもそも林家さんには分配されないものだったかも知れないということもあります。本当にこの仕組みが難しいことは問題なんです。

 

 

材木の値決め

鈴三さん:

材木はどうやって値決めされるんですか?林家さんが指定したりするのですか?

 

県森連さん:

木材の売買は、林家さんから私たち森林組合の様な業者が委託を受けて行います。これは、材の売買だけでなく私たちが山から木を伐り出すところから始まります。そして、売買は私たちが行い、その金額に応じて林家さんに還元するんです。この時、林家さんは売買データで金額も見ることができるんです。先に、私が林家さんにも利益の還元がされたと思うと話したのは、これが理由です。

 

鈴三さん:

ウッドショックの影響で作業費も上がったり、組合によっては値決めが不透明だったりするところはあるんですか?

 

県森連さん:

無いと思いますね。私の知る限りでは、きちんとしてるところばかりです。ただ、組合ごとに山の保有条件が違うので、条件による価格差が出ることはあります。それに、例えば斜面と平面では伐採の費用が変わったりします。

 

 

在庫把握を含む仕事の見える化がカギ

吉田:

森林在庫と使う材の量も把握できると便利だと思います。

 

鈴三さん:

ぜひやりたいですね。現在は、製材業や森林組合には使った分の情報しか伝わっていないのですが、本当は使っていない分の材の状況も分かれば、国内のどこの地域にどれくらいのコストで売れるかということが出せるので、国産材による自給率の向上にもつながるはず。

 

浜工さん:

そのためには、全国の仕事の見える化が必要ですね。そのためには、やはり継続できるだけの利益がサプライチェーンに関わる全ての業者に行き渡る必要があるんだけど、今回のウッドショックによる木材価格の高騰で得た利益を「じゃあ、そのための投資をしよう。」となるかというと、いっときの景気の良さだけでは決断できない。

 

吉田:

なるほど。例えば、地場ビルダーが全部県産材を使うっていうことになれば、可能性は出てきますね。こういった理想の見える課題は、JWPとして今後取り組みたいと思います。

 

県森連さん:

現在の建築用の丸太の動きとして、B材、C材の動きが不安定で、合板の需給の関係から、製材への影響が出るかもしれない。

 

浜工さん:

需要によって材の価格の乱高下は確かにあるんだけど、それでもサプライチェーンを成り立たせるにはどうすれば良いんだろう。

 

 

県森連さん:

今後は、大きな工場がサプライチェーンを作るだろうと思ってる。それも、今までの様にたくさん作ってあちこちに売ってというのでなく、一定のところに納める様な形になると思う。そうなれば、この業界の価格の乱高下も収まっていくと思う。実際、大きな工場が原木を買うという流れも出始めていて、今後はある程度の相場が構築されて落ち着くかもしれない。

 

鈴三さん:

私たちも製材業者さんともっと強い関係を築き、本気で一緒に生きていかないと、淘汰されるという危機感を感じている。それは、工務店さんも同じだと思ってる。

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