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無垢フローリングの種類、メリットとデメリット

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無垢フローリング(床仕上材)は、自然素材の家づくりには欠かせない建材です。最近の家づくりでは、特に自然素材にこだわらない家づくりでも、床の仕上げに無垢フローリングを使用するというケースも増えている様です。

 

自然素材ならではの温かみや肌触りは、工業化製品と呼ばれる合板(複合)フローリングにはない特徴で、冬でも足の裏に感じられるほのかな温かさや夏の素足で歩く爽やかさなど、季節を問わない快適性の高さが無垢フローリングの人気の理由です。

 

無垢フローリングとは

天然の樹木から切り出し乾燥させ一定の幅と長さにカットした、文字通り「無垢」の床仕上材です。
様々な樹種の製品がありますが、いずれも素材である天然木の持つ心地よい肌触りと温かみを感じられることが特徴で、無垢フローリングには、大きく分けて広葉樹と針葉樹という樹種の違いがあり、これらは主に木目と硬さに違いが出ます。

無垢フローリングのメリット、デメリット

一般的には以下の通りと考えますが、実際は、素材の特性をどの様に捉えるかという自分の感性によるところが大きいという点は、忘れずにいたいところです。

 

メリット

  • 人工物にはない本物の素材感を味わえる。
  • 針葉樹の材では、冬場は室温を伝導熱として材本体に蓄えやわらかい温かさを感じられる。
  • 夏場は、無垢材がもつ空気層がフローリングに触れる肌からの水分を吸湿するので、サラッとした肌触が心地良い。
  • 樹種にもよるが、フィトンチッドなど様々な精油成分により、鎮静効果やリラックス効果、抗菌・抗カビ効果を得られる。
  • 日光などの光の反射がやわらかく広範囲に光を拡散し、目が疲れにくい。

 

デメリット

  • 特に針葉樹は素材自体が柔らかく、キズが付きやすい。
  • 日常的な水拭きや洗剤での清掃は、床材の劣化が早まる。
  • 一般的な合板フローリングよりも割高。
  • 材の変形や床鳴りのリスクがある。

 

もちろん、無垢とは異なる合板フローリングには合板のメリット、デメリットがありますので、床材のご検討には、一般論で判断するのではなく、ご自身の目や耳、身体感覚と実際のお宅などで確かめられることを強くお勧めします

無垢フローリング ヒノキ施工事例無垢フローリング ヒノキ施工事例

製品の種類、サイズ、塗装

無垢フローリングには、一定の長さにカットして1枚とするものと、短めの不均等な長さの板を数枚継いで1枚とするものがあります。後者は、国内ではユニタイプやユニフローリングと呼んでいます。

またサイズには、以下の様なものがあります。

 

【長さ】1,820mm(または1,818mm)・・・木造建築の一般的なモジュール「尺」でいうところの6尺です。

【巾】一般的には75~90mm・・・狭いものでは65mm、広いものでは120mmというものもあります。

【厚み】一般的には12、15、30mm・・・このサイズの間で微妙に異なる厚みのものも多くあります。

 

塗装に関しては、無塗装製品に現場で浸透系のクリア塗装をしたり、着色塗装する場合がありますが、出荷時からオイル仕上げされているものもあります。また、仕上面に傷を付きにくくするために、アクリル塗装された製品や現場でアクリル塗装をする場合がありますが、無垢の特徴の一つである肌触りが犠牲になるので、要注意です。

無垢フローリング パイン施工事例無垢フローリング パイン施工事例

合板(複合)フローリングとの違い

無垢フローリングは、天然の樹木から切り出して乾燥し製品のサイズにカットするだけであるのに対し、合板(複合)フローリングは、木材を薄く剥いだ板材やベニヤを工業用ボンド(主に樹脂)で貼り合わせ成型加工したものです。

 

合板フローリングには、基材(芯材)に木目を印刷した塩ビシートを貼り付けたものや薄く剥いだ無垢材を貼り付けたものまで多種多様です。特に薄く剥いだ無垢材を貼り付けたものは「単板貼」(たんぱんばり)または「突板」(つきいた)と呼ばれ、一見すると無垢材と見間違うほどですので、自然素材の無垢材を使いたいと考えている場合には注意が必要です。

無垢フローリングの種類

自然素材住宅で一般的な樹種は、針葉樹ではパイン(松)、杉、ヒノキ、広葉樹ではオーク(ナラ)、サクラ、メープル辺りでしょう。また、それぞれの樹種においても産地別に個別の名称で呼ばれている樹種も多く、これらは同じ樹種であっても木目や色などに個性的な差異があります。

 

面白いのは、例えばオークならその和名であるナラを別種として扱う場合や、ウォールナットの和名はクルミでも別物の製品として扱われているなどのややこしさがあることです。この辺りは、打ち合わせなどで行き違いにならない様、建築会社や木材屋さんからサンプルを見せてもらうなどしてしっかり確認した方が良いでしょう。

無垢フローリング 杉施工事例無垢フローリング 杉施工事例

フローリングの代表的な貼り方

フローリングの貼り方には大きく7種類ほどありますが、ここでは一定の長さ(定尺)の製品を貼る場合の3種類について解説します。

定尺貼り

最も定番の貼り方で、その製品のサイズのまま部屋の一辺に沿って貼ります。ただし、ただ単調に貼ると板の継ぎ目がひとつながりに部屋を横切り、おかしな床のデザインに見えるので、通常は、床材を交互に長手方向に対し半分ずつずらしながら貼ります。

規則的な継ぎ目模様によって、均一感のある落ち着いた床にできます。

フローリングの貼り方 定尺貼り

 

乱尺貼り

通常は、長さ300mm以上で不揃いな長さのフローリングを、部屋の一辺に沿って貼ります。不揃いな長さのフローリングをランダムに混ぜながら貼ることで、板の継ぎ目も不均等になり、表情豊かな床になります。また、短めの不揃いなフローリングを多用することは、木材を無駄なく効率よく使うことにもつながり、環境にやさしい貼り方とも言えます。

フローリングの貼り方 乱尺貼り

 

斜め貼り

文字通り任意の角度で施工する貼り方です。部屋のどの辺にも沿わないので先の2種類よりは落ち着きが欠けますが、その分、アクセントにしたり他の部屋との差別化をしたい場合にはおススメです。ただし、既成長さをカットしながら貼るので3種類の貼り方の中で最も端材が多くなり、斜めの貼り手間も含めコストは割高となります。

フローリングの貼り方 斜め貼り

無垢材ならではのキズについて

天然の木という素材そのものだけでできている無垢フローリングは、仕上面(表面)の肌触りの良さが特徴のひとつですが、それ故にキズが付きやすいことも確かです。しかし、無垢材には肌触り以外にもあるその他の特性を重視される方も多く、キズに関しては、以下のことを知っていただいた上で無垢フローリングを採用される際の参考にしてただければと思います。

 

  • へこみキズ:ある程度の広さと深さまでであれば、蒸しタオルでかなり復旧します。
  • 硬い道具で付く裂傷:これは合板でもある程度のキズが付きます。無垢の場合は、合板の様に下地が露出することがありません。
  • 日常生活でいつの間にか付くキズ:これは、合板よりも多いと言えます。しかし、合板の様にキズの箇所だけ光の反射が異なって目立つということが無く、無垢フローリングの家にお住まいの多くの方は「実生活では気にならない。」と感じられている様です。

無垢フローリング オーク(ナラ)施工事例無垢フローリング オーク(ナラ)施工事例

無垢フローリングの変形、床鳴りについて

無垢材ならではの特性として、材の変形(反りや曲がり、ねじれ等)や床鳴りのリスクがあります。

しかし、市場に商品として出荷される以上どの製品もちゃんと一定以上乾燥させたものであること、また、例えば弊社の15年以上800件近くの実績では、実生活に支障を来たしたり是正しなくてはならないほどの事例が無いということからも、許容範囲に収まると捉えていただいても良いのではないかと考えています。実際に、お引渡し後に弊社の社員がお邪魔する際も、特に杉などの柔らかい樹種でわずかに反りを感じる場合がある程度です。

床鳴りについては、広葉樹よりも材の変形率が大きい針葉樹のフローリングでの発生はあり得ます。ただし、同じ樹種とサイズの材であっても、床鳴りがする場合としない場合があり、出荷までの様々な過程の違いや施工時期、現場での貼り方など様々な原因が考えられます。床鳴りがどの程度気になるかは人それぞれで異なるため、実際には無垢フローリングを採用されている築年数の異なる何軒かのお宅にお伺いし、自分の耳で確かめることが一番確実です。(もちろん、その様なお宅への訪問が可能な建築会社に限られますが。)

無垢フローリング カバザクラ施工事例無垢フローリング カバザクラ施工事例

無垢フローリングのお手入れ

表面がアクリル塗装(無垢材では少数派)でない限り、乾いた布による拭き上げのみです。もちろんフローリングワイパーも乾式シートならOKです。

単板貼り以外の一般的な合板フローリングのほとんどは、仕上面にツヤのあるアクリル塗装が施してあり、これが表面に汚れを付けにくくさせる保護膜となりますが、無垢フローリングの多くは浸透系の塗装であるため、合板フローリングと比べれば汚れが付きやすいと言えます。この場合は、固く絞った水拭きや薄めた中性洗剤を含ませた雑巾で清掃します。その後、元と同じ含侵系の塗料で再塗装すればベターですが、実際にはそこまでされない方も多く、床の汚れに関しては、これもまた実際のお宅を見せていただくのが一番納得できると思います。特に、クリア塗装ではなく着色系の塗装に関しては、どうしても日常的な歩行による塗装面の変化が避けられないので、変化の程度と実際のお手入れについて、無垢フローリングの家にお住まいの方に聞かれることをお勧めします。

余談ですが、弊社では無垢フローリングに着色されるお施主様も多くいらっしゃいますが、どなたも着色に対する後悔を伺うことよりも日々の暮らしを楽しまれている様子をお伺いすることの方が多い、と言うことはお伝えしたいと思います。

無垢フローリング メープル施工事例無垢フローリング メープル施工事例

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