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住宅の外観デザインあれこれ

住宅の外観デザインは、建物のあらゆる要素の中で一番目立つところ。一度建ってしまえば変えることはほぼできず、住宅取得者にとっては最重要テーマのひとつと言えますね。

外観デザインの種類は、細かく分ければきりがありませんが、洋風と和風のいずれかだけでは大雑把過ぎます。そこで、少し掘り下げたデザインの違いによる定番のスタイルや流行を抑えておくと、自分がどんなデザインが好みなのかを理解、把握するのに役に立ちます。

今回は、住宅の外観デザインを検討する上である程度定番と言えるスタイルごとにまとめてみましたので、よろしければご参考にしてみてください。

 

1.住宅外観デザインの定番スタイル

一定以上の人口の地域に建つ木造住宅で、実際に見かける機会のあるデザインスタイルとして、和洋合わせ次の5つに絞りました。

 

  1. 和モダン
  2. 大屋根
  3. シンプルモダン
  4. プロヴァンス
  5. 輸入住宅

 

2.和モダン・現代和風

現代では高級建築とされる数寄屋デザインやお城の屋根によく見られる入母屋デザインなど伝統的な日本家屋、また和瓦または茅葺きに漆喰や板張り仕上の外壁による古民家といった、古き良き時代のデザインは都市部で新たに建てられる住宅ではほとんど見られなくなりました。

都市部ではほとんど見られなくなった数寄屋住宅と入母屋住宅都市部ではほとんど見られなくなった数寄屋住宅と入母屋住宅

 

 

現代における和風といえば、例えば屋根は入母屋の様な手の込んだデザインではなくシンプルな切妻か片流れ、外壁も板張りではなく窯業系サイディングか吹付による仕上げが一般的です。

純和風の意匠が持つ落ち着きを採り入れつつ、複雑なこだわりを簡素化し現代風にアレンジしたデザインは、和モダンや現代和風と言われます。

 

和モダンデザインの住宅。外壁の仕上げは塗り壁。

和モダンデザイン塗り壁の住宅(↑画像クリックで施工事例に飛びます。)

 

現代和風デザインの住宅。外壁の腰壁を板張りとしています。

現代和風デザイン塗り壁と腰壁板張の住宅(↑画像クリックで施工事例に飛びます。)

 

3.大屋根

和風でも洋風でも採用できるデザインです。上記の現代和風の住宅は大屋根デザインでもあります。

大きな屋根の流れによる迫力のある外観が特徴で、特に2階建ての場合の迫力は、一層存在感のある外観となります。、

平屋であれば、室内を高さのある勾配天井にしたり、2階建てなら屋根裏を有効活用したり1階を広い吹抜けにしたりできます。

 

大屋根が特徴的なアイジースタイルハウスのモデルハウス(長久手市)

大屋根和モダンデザインの住宅モデルハウス(↑画像クリックでモデルハウスのページに飛びます。)

 

大屋根デザインの住宅。大屋根によって建物がより大きく見えます。

大屋根和モダンデザイン塗り壁仕上の住宅(↑画像クリックで施工事例に飛びます。)

 

大屋根デザインの住宅。真正面からでも伝わる迫力。

大屋根デザイン住宅の正面(↑画像クリックで施工事例に飛びます。)

 

4.シンプルモダンデザイン

2000年頃から見かける様になった外観デザインです。無駄を無くし洗練された形から主に都市圏で好まれてきましたが、現在では比較的人口の少ない地域でも目にするほど一般化したデザインです。

外観の各部を直線で構成し、装飾的なデザインを排したシンプルな形状が特徴で、どこから見ても箱の様に見える場合も多く、その場合はキューブ(立方体)型デザインとも言われます。

 

シンプルモダンデザインの住宅。単一の直線で外観を構成する洗練されたデザイン。

シンプルモダンデザイン塗り壁の住宅(↑画像クリックで施工事例に飛びます。)

 

シンプルモダンデザインの住宅。軒裏は無垢板張り。

軒裏無垢板張りシンプルモダンデザインの住宅(↑画像クリックで施工事例に飛びます。)

 

5.プロヴァンス

一時期と比べれば採用傾向が落ち着いてきた南欧風(プロヴァンス)デザインは、2000年以降から2010年代半ば頃までは、地域によっては大流行といえるほど人気のあったデザインです。

プロヴァンスデザインは建物から出る屋根の部分(軒、けらば)の短さと赤色系の装飾による「可愛さ」が特徴で、現在も特に女性からの支持が根強く、街中ではイギリスやアメリカの古典的なデザインの住宅よりもよく見かけます。洋風住宅の中では最も定番のデザインといえます。

 

プロヴァンスデザインの住宅。白の塗り壁、赤系の丸瓦が基本スタイル。

シンプルなプロバンスデザインの住宅(↑画像クリックで施工事例に飛びます。)

 

プロヴァンスデザインの住宅。アーチ形の下がり壁も定番デザイン。

アーチ型下がり壁プロヴァンスデザインの住宅(↑画像クリックで施工事例に飛びます。)

 

プロヴァンスデザインの住宅。窓下にレンガタイルの装飾でアクセントを付けました。

窓下にレンガタイルを装飾したプロヴァンスデザインの住宅(↑画像クリックで施工事例に飛びます。)

 

6.輸入住宅

数ある輸入住宅をひっくるめて、一つのデザインとして扱うのはちょっと無理があると思いますが、ブロヴァンス以外の洋風デザインの定番として知っておくのは良いと思い、ご紹介します。

 

6.1.アーリーアメリカン

アメリカがイギリスから独立する以前から独立の頃に流行した建築様式。外壁の横張サイディングが特徴。

 

6.2.北欧

デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドなど北欧諸国の標準的なデザイン。積雪対策の大屋根、採光のための大きな窓、ビルトインガレージ、赤色の外壁などが特徴ですが、日本国内では気候風土や土地の事情など色々と実情に合わせています。

 

6.3.チューダー

16世紀にイギリスで生まれ、20世紀中期ごろまで流行した建築様式。屋外に面した木材は、実際の構造材を見せる場合と化粧材で装飾する場合があります。

 

7.外観デザインに良し悪しはあるのか?

実際の住宅建築では、ここで挙げたデザイン以外にもそのスタイルを確立しているデザインがまだまだあります。ここでは、現代における定番と言えそうなデザインを思い切り絞ってご紹介してきました。

 

住宅の外観デザインは、時間を掛けて形づくられてきたものや一時の流行りによるものまで様々ですが、デザインそのものの良し悪しを論じてもあまり意味がない様に思います。なぜなら、デザイン自体はそこに住む人の好き嫌いによる感性に訴えるもので、そこに他者の意見を伺う意味は無いからです。ただし、採用したデザインがその住宅での暮らしの質に関わるのであれば、話は別です。例えば、見た目には良くてもあまりにも緩やかな勾配の屋根は、雨の多い時期には排水処理の点で不安ですし、重厚感のある剥き出しの構造材が見える外壁も、雨水の侵入はもちろん、材料の経年変化による何らかのトラブルが発生しないか心配です。

 

この様に、外観デザインは好みの問題よりも、何十年とそこで暮らすための質に大きく関わるため、建物のハードウェアとしての性能の問題に注目する方が重要です。

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