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木造住宅における断熱とは

2018.5.06

この10年ほどで、断熱性能を重視されるお客様が多くなってきたと感じます。外観や設備といった見た目では無く、暮らしの質を大切する方が増えてきた様です。
希望する暮らしの質は人によって違うでしょうが、希望を実現する為の必須共通事項があります。
それは、ちょうど良い温熱環境の快適な空間です。

・快適な空間は、ちょうど良い温熱環境から生まれます。
・ちょうど良い温熱環境は、適切な温度と湿度から生まれます。
・適切な温度と湿度は、建物の断熱性能の高さに依存します。

木造住宅における断熱とは、室内を快適な空間とする為に必要な、ちょうど良い温熱環境を実現する為に重要なポイントなのです。

木造住宅の断熱工事

 

1.断熱性能とは何か?

断熱という言葉を辞書で引くと、「熱を伝えないこと」とあります。

室内の異常なほどの夏の暑さ、冬の寒さは、建物が熱を伝えやすいからです。

ほぼ1日中点けっぱなしの冷暖房により、光熱費がかさんで家計も圧迫しています。

断熱性能はお金だけでなく、住む人の快適性や健康、そして寿命にも関わります

そこで、建物の屋根、外壁、窓からの熱の出入りを断つ「断熱工事」が重要になります。

断熱性能とは、建物が室内外の空気の温度を伝え合わない性能の良し悪しです。

 

2.断熱性能が低いことの影響

断熱性能の良し悪しは、ズバリ健康や寿命に関わります。

断熱性能の低い建物から出入りする熱は、室内の温度に影響し、その温度が住む人の身体に影響を及ぼします。

近年、冬のニュースで良く聞く「ヒートショック」は、浴室など宅内での死亡事故を招いており、断熱性能の低さが原因です。

(詳しくは → ヒートショックと対策

では、断熱性能の低い住宅は何が原因なのでしょうか?

 

3.断熱性能が低い原因

住宅の断熱性能に影響するのは、主に次の2点です。

・材料の素材の性質が影響している場合
・施工品質が影響している場合

 

3-1.材料の性質が影響している場合

その素材自体の熱の伝わりやすさが原因です。

例えば、低温の空間においた木と鉄では鉄の方が冷たく感じますし、高温なら鉄の方が熱く感じます。これは鉄の方が素材として温度を伝えやすい性質の材料だからです。

 

3-2.施工品質が影響している場合

断熱材が適切に設置されていない事が原因です。

例えば、外壁の中に入れる断熱材の場合、いくら性能の良い断熱材を使ってもあちこちに隙間がある様な設置状況では、そこから室内外の温度が伝わり合ってしまい断熱材としてほとんど機能しないことが分かっています。

 

3-3.業界と国の対応

これらのことが、「当たり前」としてほとんど放置してきたのが建築業界です。

国は住宅性能を引き上げようと、段階的に省エネ性能を示す基準を策定してきました。

断熱性能の向上は、省エネ性能を実現する手段の中で最も現実的で効果的なものです。

しかし、2018年現在の省エネ基準は努力義務として罰則もありません。

その為、基準未満の建物が当たり前の様に建てられてきました。

近年は、2020年の省エネ基準の義務化が迫り、建築業界も省エネ性能を重視する傾向が強くなってきています。

(詳しくは → 省エネルギー基準について

 

4.断熱に関わる性能表記

断熱性能は、素材自体の性能、屋根、壁などの部位ごとの性能、そして建物全体として性能を知ることが必要です。

 

素材自体の性能とは、窓ならガラスと枠別々の材質の断熱性能を知ると言うことです。

素材の断熱性能は「熱伝導率」で判断できます。

「熱伝導率」
熱の伝わりやすさ
記号:λ(ラムダ)
単位:W/(m・K)

 

また、屋根、壁など建物の部位単位での性能は「熱貫流率」で判断します。

「熱貫流率」 
壁など建物の部位ごとの熱の伝わりやすさ
記号:U
単位:W/(m2・K)

 

建物全体としての断熱性能は、「外皮平均熱貫流率」、「冷房期の平均日射熱取得率」です。

「外皮平均熱貫流率」
建物の外皮である外壁、屋根、床、開口部などからの、熱の逃げやすさ
記号:UA
単位:W/(m2・K)

「冷房期の平均日射熱取得率」 
冷房効率を表します
記号:ηA(イータエー)
単位:W/(W/m2)

 

その他、以前の平成11年省エネ基準まで採用されていた、熱損失係数(Q値)、夏季日射取得係数(μ値)、相当すきま面積(C値)と言う値もまだ使われています。

 

(詳しくは → 断熱性能の考え方

 

5.断熱材の種類

断熱材の製品をあげたらキリがありませんが、特徴に注目すると次の種類だけです。

・細かな繊維を綿状に集めた「繊維系」
・種類の違うプラスチックを発泡させてできる「発泡プラスチック系」

これだけです。

もっと細かく分類できますが、どちらが優れていると言うことはありません。

詳しく知りたい方は、別記事の断熱材の種類と特徴をご覧ください。

 

6.断熱材の施工方法

断熱材の性能を活かせるかどうかは施工品質に掛かっています。

選んだ材料の性能を最大限に引き出す断熱工法で施工すべきです。

断熱工法は、大きく次の様に分けられます。

・外壁の空間に設置する「充填断熱」
・外壁の構造材(柱など)の外側表面に材料を貼る「外張断熱」
・どんな材料であっても時間を掛ければ蓄熱してしまう問題に対する「遮熱」

これらも、どれが一番優れていると言うことはありません。

それぞれの特徴を良く理解した上で我が家の施工方法に採用すべきです。

(詳しくは → 充填断熱工法の種類と特徴外張断熱工法の種類と特徴

 

7.最後に

今回は、木造住宅における断熱の意味、役割、身体に及ぼす影響、性能が低くなる原因、材料や工法の選び方など広範囲に渡って概要をお伝えしました。

断熱性能は、住まい手にも建物にも非常に重要な役割を担います。

それにも関わらず、建築業界がやっと真剣に取り組み始めたテーマです。

建物の断熱工事は非常に重要で、人の健康と建物の寿命に深く関係しています。

また、断熱には気密と言う考えも密接に関わります。

詳しくは、こちらをご覧下さい。→ 断熱性能で結露を防ぎ耐久性を高める 

豆知識くん

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