もし家を建てるなら

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健康住宅はロングライフデザイン まず「暖かさ」からと思う件

/ 家づくりのレシピ /

秋も深まり、今年(2018年)の猛暑をすっかり忘れてしまうほどです。

この心地良さを、もうすぐやって来る冬の季節でもぜひキープしたいものです。

それには、健康でいるために暖かく過ごせるかどうかが重要なカギになりますね。

健康に過ごす事は、そのまま長寿にも関わります。それは、当社が住宅に求めるロングライフデザインと言う思想の一部でもあります。

しかし、健康住宅に求めるものは、化学物質に関わる空気環境だったり、電磁波だったり、あるいは温湿度に関わる温熱環境だったりと人それぞれだと思います。

実際、健康住宅と言う言葉には、公的な定義がないことをこちらの記事でお話ししています。

当社の考えるロングライフデザインとしての健康住宅は、何はともあれ、まず「暖かさ」だと考える件についてお話しいたします。

 

1.そもそも室内の寒暖についての不満は強いのか?

まず、こちらをご覧ください。
住んでみて分かった住まいの不満
SUUMOなんでもランキング「Vol18 住んでみて分かった住まいの不満点は?」より

大手住宅情報サイトのSUUMOさんが行った、住宅の不満に関する2013年の調査結果ですが、建物が身体に及ぼす影響に関するものが4位の「日当たり・風通しが悪い」の他は一つもありません。

これが5年後の今年2018年の同じ調査では
住んでみて分かった住まいの不満2018
SUUMOなんでもランキング「Vol178 住んでみて分かった住まいの不満点は?【一戸建て編】」より

建物が身体に及ぼす影響として「お風呂が寒い」という不満がいきなり2位にランクインしています。

2013年は、同じお風呂について「狭い」と言う機能的なものでした。

お風呂以外の項目も「機能的な不満」一辺倒だったところに、「性能に関する不満」がいきなり上位にランクインしたのがポイントだと思います。

次に、5年毎に国が調査している住生活総合調査の結果です。

平成25年住生活総合調査の結果

こちらは、調査票の選択肢に対して回答するので、先の調査とは項目の違いがありますが、「住宅の断熱性や気密性」という、室内の寒暖に対する不満が17項目中5位にランクインしています。

これらのことから、生活する(=生きる)と言うことに対し、多くの方の住宅に対する意識が健康や快適と言った性能的な面にシフトしてきていると言えるのではないでしょうか?

これは、昨今耳にする「モノよりコト」という言葉に代表される、価値観の変化に沿うものではないかと感じます。

 

2.暖かい家は本当に健康に暮らせるのか?

ところで、暖かい家では本当に健康になるのでしょうか?

感覚的には、寒い冬などは室温も低く、それに伴って活動が鈍いというイメージがあると思います。

健康かどうかと言う疑問については、次の様な研究結果が出ています。

高断熱住宅化で有病者が現象

出典:グリーン建築推進フォーラム 第5回月例セミナー 健康住宅・建築最前線

このグラフは、既存住宅の断熱性能向上工事を行い、工事の前と後で住まい手の有病率を調査したものです。

断熱性能が向上すると言うことは、屋内外の熱の出入りが減ると言うことです。

つまり、室内の温度が一定に保たれやすくなると言うことで、一度暖めた室内がその暖かさを保持しやすい住宅になると言うことです。

減少率の差こそあれ、全ての疾患で有病率が減少していることが分かります。

この事から、身体的な健康という意味では、暖かい家は健康に過ごせると言えます。

 

次は、厚生労働省発表の資料をグラフ化したものです。

日本でも温暖な県で冬の死亡増加率大
出典:グリーン建築推進フォーラム 第5回月例セミナー 健康住宅・建築最前線

全国冬季死亡増加率が17.5%を示す中、寒冷な北海道が10%程度であるのに対し、栃木県の25%を始めとして温暖な地域の方が上位を占めています。

これは、寒い地域になるほど建物の断熱性を重視する傾向があり、寒冷地で建てる家は標準的な仕様でも断熱性が高い(=冬暖かい)ので、建物内での温度差が少なく、血圧の急な昇降リスクが小さいためと考えられています。

この豆知識ブログでも、こちらの記事で触れています。ご興味のある方は、どうぞご覧ください。

 

同じ様な調査で、国別のものもあります。

欧州の温暖な国ほど冬の死亡増加率大
出典:グリーン建築推進フォーラム 第5回月例セミナー 健康住宅・建築最前線

寒冷なフィンランドよりも、温暖なポルトガルの方が死亡増加率が大きいと言うもので、理屈は先と同じです。

 

3.住宅に暖かさを求めるなら断熱性能にこだわる

これまでの事から、住宅の室内での暖かさは、健康に過ごすための必須条件と考えても良いと思います。

もちろん、人によっては化学物質などの空気環境の方が重要とお考えの方もいらっしゃると思いますが、一般的な調査に基づく判断として、断熱性能を確保できることを前提として空気環境をコントロールすると良いと考えます。

また、断熱工事はわずかな不備が、建物全体の寒暖(温熱環境)を左右します。そして、この解決の為に、綿密な調査と大規模な改修工事が必要となります。

新築した我が家が、もし断熱性能に劣ることがあればどうなるでしょう。

冬は結露やカビ悩まされ、暖房機器を使っている部屋だけが暖かく、他の部屋との大きな寒暖差で血圧が昇降し、暖房を切ればあっという間に冷えてしまうと言う住宅は、今も普通に建てられています。

そして、その対策の為に費やす、資金、期間、労力は想像よりも大きな負担を強います。

従って、新築住宅の建築計画では、断熱計画がどの様に考えられ、どの様に工事(施工)されるのか?と言うことを十分に知っておくことが大切です。

当社アイジースタイルハウスでは、理想の健康住宅を目指し高い断熱性能を実現するために、材料という面では内断熱(充填断熱)材には「セルロースファイバー」を、外張断熱には「ビーズ法ポリスチレンフォーム」を採用し、体感温度を左右する湿度の調節には「漆喰」を採用しています。

これらは、材料自体の性能はもちろんですが、施工の確実性も考慮して採用しているものです。

↓セルロースファイバーの詳細はコチラから。

 

そして、最後にぜひお伝えしたいことがあります。
それは、建物の断熱性能は数値で表すことはできますが、現場で一棟づつ手作りされ、同じ環境の建物が2つとない住宅建築において、数値よりも大切なのは、実際の建物で温熱環境を体感する方がよほど納得感があるという事です。

この事は、様々な検討をし、住宅を建てられ、そこで実際に暮らされる多くのお施主様から私たちが教えていただく事実だからです。

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