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4年連続増加のシックハウス相談件数

先般、公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターから最新の住宅相談統計年報が掲載されました。

この統計には、同センターに寄せられる住宅建築工事、リフォーム工事に関わる相談件数や内容が載せられています。

その中には、日常生活で聞くことが少なくなった「シックハウス」に関する相談も含まれており、昨年度2017年のシックハウスに関する相談件数が135件となっています。

今回の報告により、2013年度の68件を境に、以降74件、121件、131件とシックハウスの相談件数は4年連続増加となりました。

4年連続増加のシックハウス症候群

 

1.静かに増加するシックハウス

下記のグラフは、今回発表された最新の統計報告によるシックハウス相談件数の推移です。

当ブログの過去記事「シックハウス症候群とは」でも指摘しましたが、増加傾向なのが明らかです。


(公益財団法人 住宅紛争処理支援センターのデータを元にIG Styke Houseで作成)

インターネットで検索すると分かりますが、ここ十年間くらいではシックハウス症候群を訴える記事が思った以上に見つかりません。

実際には、建替えた学校の校舎などでのシックハウス症候群のニュースがあったと記憶していますが、あまりヒットしません。

検索されるのは、その注意喚起や対策を述べるメディアの記事の方が多く、世の中の関心も低いのか?と思わせます。

この事実を考えると、このまま行けばシックハウス症候群が大問題となった2000年前後の様に、ある年から爆発的に増えるタイミングが来るのでは?と、懸念してしまいます。

シックハウス症候群は、まるでSFホラー映画のごとくその勢力を静かに伸ばしてきいる様にも思えます。

 

2.行政の対応はどうなっているのか?

では、行政の対応はどうなっているのでしょうか?

シックハウスに関する建物への対策は国土交通省、その基となる調査や数値的な指針は厚生労働省が担っています。

そこで、各省の最新の情報を当たってみました。

・・・無い。

いえ、情報が無いワケではなく、過去HPに記載された情報からの更新情報が見つからないのです。

HPで見る限りは、2003年に国交省が実施した「シックハウス対策法」は、特に内容の変更無く今も「まんま」です。

そして、厚労省は、昨年2017年8月に「三つの化学物質について、新たに室内濃度の指針値を定める方針を固めた。」と言う報道がなされたものの、その後指針値の変更はされていない様子。

 

この記事のその後を調べたら、やっとありました。↓

2018年8月31日 第22回シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会 議事録(厚労省HP)

あまりに長いのですが、要は、「これからまだ検討して、なる早でコメント出したい。」と言うことらしいです。

いずれにしても、ここ数年のシックハウスの増加傾向に対して、具体的な施策は講じられていないと言うのが実態です。

 

3.シックハウス対策のポイント

上記の厚労省の議事録から読み取れるのは、以下の様なところではないかと考えます。

①2003年のシックハウス対策法でホルムアルデヒドなどの規制有害物質は確かに激減した。
②それにより、シックハウス症候群の訴えも激減した。
③ところが、今まで使われていなかった化学物質が規制物質の代替として使用される様になった。
④これらの代替化学物質の人への影響は、今後の調査を進めないと分からない。

④また、中には人への影響が遅効性である可能性もあり、やはり今後の調査による。
⑤調査結果によっては、指針値の見直しや新たな物質の追加が必要になる可能性がある。

これにより、ここ数年現実的にシックハウス症候群の相談件数が増加している。

と言うことです。

そうすると、シックハウス症候群を回避する対策としては、基本に立ち戻る必要があります。

ひとことで言ってしまえば「有害物質をできるだけ排除する」と言う、なんとも当たり前の事になります。

新築住宅を建てる上ではと言う条件ですが、こちらの記事で有害物質の排除について書いています。ご興味がありましたら、どうぞご覧ください。

また、排除の考え方として大事なのは、全体的な発散の総量に注意すると言うことです。

各材料からの規制対象物質の発散数値が、国の指針値以下だったとしても、建物の室内の様な閉ざされた空間では、天井、壁、床などあらゆる部位の総面積から発散される総量によって人への影響力が高まり、シックハウス症候群を発症してしまう可能性があります。

実際、こちらの記事では、総量の多少によって発症の有無に違いがあった事の話しが載っています。

 

4.最後に

シックハウス症候群に掛かる調査は、主に厚労省で地道に調査、研究が継続されています。(←「シックハウス」で検索してみてください)

しかし、今後有効な策が出されるまでに発症してしまうのも困ります。

そうならない為にも、マイホームの新築という機会は、シックハウスへの有効な対策を打てる良い機会でもあるので、ぜひ、対策を講じて欲しいと願っています。

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