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シックハウス症候群 室内空気の化学物質は4000種!

2019.3.14

社会問題となった1990年代後半のシックハウス症候群は、その後のシックハウス対策法の施行とともに症例の相談件数は激減していきました。
これまでに測定してきた室内空気から検出された化学物質の種類の合計は、なんと約4000種もあるそうです。
シックハウス対策法による室内空気の化学物質の量規制や指針値は、空気質の改善を促進し一定の効果を上げてきたことは確かです。しかし、近年再びシックハウス症候群に関わる相談が増加傾向に転じているという事実もあります。
一般のメディアでは、シックハウス症候群にはまだ再注目していない様ですが、厚生労働省では、2004年以降止まっていた「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会」を2012年より再開しています。
ここでは、我が家をシックハウスにしないために、基本的な知識をおさらいして行きます。

室内空気の化学物質は4000種類


 

1、「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会」の再開理由

先述の通り、「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会」が再開されていますが、これは、シックハウス対策法で規制した物質の代わりに規制外の別の物質が使われる様になり、これらの代替物質による影響を調べる必要があると判断したことが、理由のひとつです。
折りしも、検討会を再開した2年後、2014年度のシックハウス症候群の相談件数は増加に転じたという結果も出てしまいました。

シックハウス症候群相談件数が2014年度以降は増加傾向
(公益財団法人 住宅紛争処理支援センターのデータを元にIG Style Houseにて作成)

2010年度までの低減期、2012年度までの停滞期を経て2013年度に最低相談数を記録した以降は、緩やかな勢いとは言え、連続で増加しています。
最低を記録した2013年と言えば、シックハウス対策法の施行から10年が経過する年です。化学物質に頼る製品を製造する業界が打った対策(つまり、規制対象外の代替化学物質)が、実はそれらからも身体に影響が出ることがいよいよ明るみに出始めてきたということなのかも知れません。

 

2.まず化学物質の削減から始める

シックハウス症候群の原因は、化学物質のほかにも様々なものがあると言われています。しかし、身体や精神の健康に影響を及ぼすものとして、化学物質はその最たるものと言えます。なぜなら、身体に取り込む物質は、口からの摂取が最も多いからです。ただし、それは飲食物からではなく、その量とは比較にならない摂取量の呼吸によるものです。

人は呼吸によって、1回につき約0.5リットルの空気を身体に取り込みます。これを1分間に約20回行なっています。すると、我が家に15時間くらい居る小学生のお子さんなどは、実に約9000リットルという大量の空気を身体に取り込んでいることになります。これを重量換算すると約12.5kgです。
そうです。家族の健康を考えるなら、飲食よりもまず空気の質を改善することが先なのです。空気の質を改善するということは、すなわち空気に含まれる有害物質を削減するということです。有害物質の代表は化学物質です。
とは言っても、現代の家づくりでは、あらゆる材料が自然素材に取って代わり工業化製品が多用されており、化学物質を避けるのは容易ではありません。

以下で、家づくりで使用するもので、どれから化学物質が放散するのかを見ていきます。

 

3.化学物質の発生源

化学物質は、使われる工業接着剤からの放散が主です。接着剤は製品そのものに含まれるものもあれば、施工する際に使用するものもあります。

3.1天井材、壁材

最も採用されている材料は壁紙(クロス)です。呼称にこそ紙とありますが、ほとんどの製品の素材は塩化ビニルです。塩化ビニルは、可塑剤としてフタル酸エステルが使われており、施工の際に用いる接着剤は酢酸ビニル系です。

3.2床材

最も採用されている材料は合板フローリングです。基材は木質ですが、それらを積層して製品とする過程で、ユリア樹脂系、メラミン樹脂系、フェノール樹脂系などの接着剤を用います。

3.3構造材

柱や梁、土台など建物を支える構造材に集成材を採用する建築会社も多くあります。集成材は合板フローリング同様、ユリア樹脂系、メラミン樹脂系、フェノール樹脂系などの接着剤の他、レゾルシゾール系、水性高分子イソシアネート系の接着剤も使われます。

3.4断熱材

国内で最も多用されているのは、繊維状に加工したガラスをマット状に成形したグラスウールです。これにも酢酸ビニル系、クロロプレンゴムなどの接着剤が使われています。

 

ここまで、建物からの化学物質発生が考えられる主な部位だけを記しました。これらの材料は、ほぼ全てが何らかの工業接着剤が使われ、それらからはホルムアルデヒドを代表として数種類の化学物質が放散する可能性があるだけでなく、接着剤以外にもこれらの製品を製造する過程で、何らかの化学薬品が添加されていたりするものもあります。
また、建築工事では上記外のあらゆる場面でも接着剤が使われるので、実際には、もっと多くの場所からの化学物質の放散があると言えます。

接着剤については、こちらの記事でも述べていますので、ご興味がありましたら、ぜひ。
「集成材に使われる接着剤」

子供をシックハウスから守ること

4.今後のシックハウス対策の方針

上記は、これまでのシックハウス対策法で規制される化学物質の放散のリスクを示しています。
本来なら、見出しの1でお話しした「現在は規制対象外の代替化学物質」の放散リスクについて示すべきですが、今後調査を進めていくものでもあり、残念ながらそれができません。

そうなると、やはり何であろうと化学物質の放散が懸念される工業化製品、つまり新建材はなるべく避けると言う様なことも、健康な我が家造りには必要なのかもしれません。

遥か昔の家づくりの様に、茅葺の屋根、無垢の構造材、無垢の床、土や漆喰で造る壁など全てを自然素材で建てるのは現実的ではありませんが、そこは、現代の知恵や技術を上手く融合させ健康な家づくりを実践する建築会社も出てきており、その様なところと納得が行くまでじっくりと話し合うという方針でいるのが良いと思います。

シックハウス症候群の基本知識については、こちらでどうぞ。
「シックハウス症候群とは」

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