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地球規模の目標SDGs

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SDGsはエスディージーズと読み、持続可能な社会を実現するために設けた国連の開発目標です。17の目標、ターゲット、指標からなる開発目標の一群で、2030年までの達成を世界が合意した地球規模の目標です。SDGsは、国内でも2016年から国家的な取組みが始まっており、取組み活動の優れた企業や団体に対し、既に2度の表彰も発表されています。
持続可能な社会の実現は建築業界への影響も大きく、今後はこのSDGsへの取組みが重要になるかもしれません。

地球規模の目標SDGs

 

SDGsの概要

SDGsは、Sustainable development Goals(持続可能な開発目標)の略です。

2018年12月末に政府は「SDGsアクションプラン2019」を発表し、「SDGs経営」というキーワードを盛り込みました。今後はますますSDGsが重要となり、今年は「SDGs経営」元年になると言っています。

SDGsでは、次の様に17の開発目標が掲げられています。
SDGsの17の開発目標

各目標から、次の様な特色が見えてきます。

 

各目標のテーマから見える意図

1~6の目標について

①貧困、②飢餓、③保健、④教育、⑤ジェンダー、⑥水・衛生
などから総括すると、開発途上国に対する開発支援の様です。

7~12について

⑦エネルギー、⑧成長・雇用、⑨イノベーション、⑩不平等、⑪都市、⑫生産・消費
などから総括すると、先進国に対する開発目標の様です。

13~17について

⑬気候変動、⑭海洋資源、⑮陸上資源、⑯平和、⑰実施手段
などから総括すると、全ての国に関わるまさに地球規模の目標と言えます。

 

優先課題が定められている

SDGsは上記の通り、あまりに多様で広範囲な目標が定められ、どこから手を付けて良いか分かりづらいものとなっています。そこで、日本ではこれら17の開発目標を実現するために取り組む優先課題を次の様に定めています。

 

7つの優先課題

(1)あらゆる人々の活躍の推進
関連する目標 → ①貧困、④教育、⑤ジェンダー、⑧成長・雇用、⑩不平等、⑫生産・消費

(2)健康・長寿の促進
関連する目標 → ②飢餓、③保健

(3)成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
関連する目標 → ②飢餓、⑧成長・雇用、⑨イノベーション、⑪都市

(4)持続可能で強靭な国土と質の高いインフラの整備
関連する目標 → ②飢餓、⑥水・衛生、⑨イノベーション、⑩不平等

(5)省・再生可能エネルギー、気候変動対策、循環型社会
関連する目標 → ⑦エネルギー、⑫生産・消費、⑬気候変動

(6)生物多様性、森林、海洋等の環境の保全
関連する目標 → ②飢餓、③保健、⑭海洋資源、⑮陸上資源

(7)平和と安全・安心社会の実現
関連する目標 → ⑰実施手段

国内では、17の開発目標をこれら7つの施策で実現して行くということです。

では、これら7つの優先課題に、国の住宅・建築関連の施策がどう関わるのかを見てみます。

 

住宅・建築関連施策との関わり

(1)あらゆる人々の活躍の推進
・新たな住宅セーフティネット制度
・バリアフリー化促進
・住宅生産性向上

 

(2)健康・長寿の促進
  ・サービス付き高齢者向け住宅の供給促進
・断熱改修等による居住者への健康への影響調査の実施
・省エネ性能向上促進

 

(3)成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
・サステナブル建築物等先導事業(次世代住宅型)
・次世代住宅ポイント制度

 

(4)持続可能で強靭な国土と質の高いインフラの整備
・耐震性向上、確保
・密集市街地対策
・空き家対策
・新たな住宅セーフティーネット制度

 

(5)省・再生可能エネルギー、気候変動対策、循環型社会
・先導的な省エネ住宅、建築物に対する支援事業
・木材利用促進
・建築物省エネ法改正による建築物エネルギー消費性能向上

 

(6)生物多様性、森林、海洋等の環境の保全
・木材利用促進
・中大規模木造建築物の普及促進
・クリーンウッド法

 

(7)平和と安全・安心社会の実現
・耐震性向上、確保
・バリアフリー化

上記は国が既に実施している施策で、これらへの取組みがSDGsにおける国の定める優先課題の解決につながると言うことになります。

 

パリ協定との関係

SDGsと同様の国際的な枠組みに「パリ協定」があります。これは、2015年12月にパリで開催されたCOP21で採択されました。SDGsは、3ヶ月早い2015年9月の国連サミットで採択されています。

パリ協定の目的は、産業革命前からの世界の平均気温上昇を「2度未満」に抑え、平均気温上昇「1.5度未満」とすることで地球温暖化等の気候変動に対処することです。その目標は、温室効果ガス(CO2)排出量の削減として各国ごとに定めており、日本は中期目標として「2013年度比で26%削減」としています。

パリ協定は、地球規模の気候変動への対策であり、これは、SDGsにおける開発目標13の「気候変動に具体的な対策を」に当ります。また、目標1の「貧困の撲滅」や目標2の「飢餓の撲滅」にも気候変動は触れられており、二つの枠組みは、相互に関連しています。

ただし、それぞれの資料をもう少し読み込むと、気候変動に関する施策としては、パリ協定の方がより厳しい条件を示していることから、あくまで「協定」としての義務を締結国に課すものであり、SDGsは、各国、各主体に取り組みが委ねられた、より緩やかな規範的なものと言えます。

ちなみに、住宅業界での温暖化ガス(CO2)削減の取組みには、ZEH(ゼッチ)と呼ばれる国の施策があります。

 

最後に

ここまで、SDGsの概要を住宅や建築産業、パリ協定との関係から見て来ましたが、例えば、木造住宅を新築しようとする建て主としての立場からみて、SDGsの為に個人では何ができるのかはやっぱり分かりにくいと思います。

しかし、CO2を木材が固定する性質と年間の完工棟数を考えれば、住宅の構造を木造とすることで、既に地球温暖化の防止に貢献していることになります。今はあまり気づいていない事でも、実はSDGsやパリ協定に即した行動をしているかも知れませんね。

大切なのは、自分たちの行動が、環境破壊ではなく環境保護や温暖化防止に役立っていることを自覚できることです。そうすれば、より適切な次の行動の選択につながるからです。

今後、建築業界もこのSDGsへの取組みを本格化していくでしょう。自分たちのためにも未来の子供たちのためにもSDGsの動向を見守っていきましょう。

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