もし家を建てるなら

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間取りの検討 我が家は2度建てる

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注文住宅で建てる我が家の成功の秘訣。それは「我が家は2度建てること。」って言ったら、どうでしょう!?

「住宅は3回建てないと満足しない。」というのを聞いたりしたことがあると思います。

でも、実際には、それができる環境ではない事の方が圧倒的多数です。また、2度建てるケースも多くはありません。

実は、2度建てるというのは、「実際に」建てるのでは無く、「仮に」建てるという事です。

それは、間取りの検討をしっかり行い、一度目は机上で仮に建築し、2度目に実際に建築するという意味です。

仕事を成功させる秘訣として、実際の行動前に「一度シミュレーションし、想像上の望む結果を経験する。」という事があります。

これは「すべてのものは2度つくられる。」という名言で知られ、「我が家は2度建てる」のは、まさにこの考えと同じことです。

 

1.自分で間取りを検討することの大切さ

注文住宅と言うと、昔は手土産持参で棟梁のところへ出向き、頭を下げてお願いする。そして、材料、間取り、完成時期まで、何もかもが棟梁任せ・・・なんて時代もあった様ですが、現代は違いますよね。

しかし、施主が建築会社に色々と注文して建てるイメージがある「注文住宅」という言葉のとおりになっているかと言うと、実はそうでもありません。

というのは、圧倒的な知識と経験の差から建築会社の言いなりに進んでしまい、建てるには建てたが、デザインや使い勝手など色んな形で「不満が出ている。」と言う家づくりもまだまだ多いからです。

そこで、おすすめするのが先の「実際に建てる前に机上で一度建ててしまう。」ということです。

実際にどうやるのか?というと、それは「自分で間取りを検討する。」ということです。

「なーんだ、注文住宅なら当たり前じゃん!」・・・とは思わないでくださいね。

間取りの検討というのは、もちろん私たちの様なプロがリードする場面が多いのですが、「自分達には分からないから」と任せっきりにしてしまうと、実際に住み始めてから色々と不満が出ることになるので、とっても重要なことなのです。

なぜなら、完成した住宅に何十年と住むのは、誰でもないあなたとその家族にも関わらず、そこに住まない建築会社の人が「プロとしての知識と経験」だけで決めてしまうと、教科書通りの間取りではあっても、あなたの価値観や生活スタイルに合ってないという事になる可能性があるらです。

だからこそ、建て主であり住まい手でもあるあなたは、自分で間取りを検討する必要があるのです。

ここで間違えてはいけないのが、間取りを自分で「勝手に決める。」ことや「理想だけ伝え、あとはプロが形にする。」ことでは無いということ。

それは、「自分で間取りを検討する。」というのは、「自分で間取りを作る」というよりも、「我が家の間取りのプロデューサーになる。」というのが正しい解釈です。

 

 

2.知っておくべきこと

とは言っても、紙と筆記具だけあっても何から手をつけて良いのか分かりませんね。

ですので、このブログでは、間取りの検討方法について、不定期で何回かに分けてお伝えしていきます。

まず、自分で間取りの検討をするには、ある程度の知識や準備が必要です。

例えば、必要な資料、資料の見方、道具などです。

しかし、安心してください。そう多くもなく複雑でもありません。

ただし、慣れが必要なので地道に取り組んで欲しいところです。

2-1.必要な資料

必要な資料は、ずばり、図面です。とりあえず平面図だけで大丈夫です。

打合せの進捗にもよりますが、全体を把握しやすい1/100の縮尺であったり、その2倍の大きさの1/50の縮尺であったり、カラーできれに着色されていたり、白黒の単線で描いてあったりするなど、建築会社によって違いがあります。

個人的には、これから色々間取りを検討する段階であれば、見やすくて全体が把握しやすい縮尺1/100のカラーの図面が良いのではないかと思っています。この様な資料は、設計図面と言わず、プレゼン資料とかプラン図とか言ったりします。

 

次に必要なものは、三角スケールと言う定規です。略してサンスケ。

こんな形をしていています。断面が三角形で、つまみやすい定規です。

三角形のそれぞれの面に2種類づつ、計6種類の異なる縮尺の目盛りが刻んであるので、異なる縮尺の図面の計測にとても便利です。

今はコンピュータで図面を描くので三角スケールを使わないことが増えましたが、手描きで作成する人は30cmと15cmのものを使い分けたりしてます。

住宅くらいの大きさの建物であれば15cm(写真)のもの1本で十分です。

プロ用のものは1000円くらいからウン千円のものまでありますが、間取りの検討であれば100円ショップのものでも十分です。

そして、最後に必要なのが電卓です。

四則演算ができれば十分なので、これも100円ショップで買えますね。(良い時代です。ホント。)

 

3.図面(プレゼン)の見方

さて、間取りを検討する上で、まず図面の見方を知りましょう。

この場合も、建築会社によって図面に書き込む情報が異なるのですが、必要な知識は限られているので心配いりません。

まず、描かれた図面の縮尺を知ります。縮尺をスケールともいいます。

たいていは、図面にS=1/100などと記載されていますが、無い場合はサンスケで寸法が記載されている箇所を計測してみましょう。

サンスケにある1/100の面に刻まれた目盛りは、学校で使っていた定規と同じく、1目盛りが1ミリです。

そして、サンスケの1目盛=1ミリは、1/100の図面において100倍の100mmということです。つまり、図面で1mmに見えるものは、実際に建つと、その100倍の100mm(=10センチ)のものという事です。

 

3-1.計測して縮尺を把握する

例えば、図面に書かれた数値が910とあれば、910mmという事ですが、ここに、あなたが学校で使っていた定規をあてると何ミリくらいでしょうか?

下図の様に10mmくらいであれば、建てた時には100倍の1000mmくらいだろうと分かります。と言うことは、縮尺は1/100だと予測できます。実際に、サンスケの1/100の目盛りを充てると、10mmよりわずかに短いところ(9mmくらいのところ)に廊下の壁の中心線があると分かります。それは、サンスケでは9.1mm(0.1mmの単位は目分量)で計測され、実物では100倍の910mmになると言うことです。

これが、学校で使っていた定規で20mmくらいなら、10mmの2倍なので縮尺も2倍大きい1/50(1/100×2)だと予測できます。


↑縮尺1/100で910mmを測ると、18mm(=1800mm)くらいと記載数値の2倍なので、縮尺も2倍の1/50だと分かる。


(↑縮尺1/50(サンスケは1/500とあるので、頭の中で換算します)で測ると、約9mm(=約900mm)を示しているので、縮尺が合っていることが分かる。)

・・・と、言葉にするとややこしく感じるかもしれませんが、実際には、サンスケをクルクル回しながら図面を計測している内に適切な縮尺が分かる様になるので、まずは実践してみてくださいね。

 

4.まとめ

間取りの検討について、第一回の記事は、用意する道具とサンスケの使い方だけで終わりです。

しかし、サンスケの使い方に慣れないと、見慣れた1/100(図面上の1m=1000mm=サンスケの10mm)が2倍の縮尺(1/50)になっただけで、空間の大きさを把握できなくなります。

ですので、これから方眼紙などに向かって「間取りを考えるぞー!」と言う時には、1/50、1/30くらいの縮尺の図面をスッとサンスケで計測できるくらいにはしておくと便利です。

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