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通気を止める胴縁<結露の原因シリーズ>

/ 家づくりのレシピ /

日本の木造住宅の最も代表的な劣化の原因は建物内の「結露」です。

結露は、建物のあらゆる箇所で発生します。外装材の裏側にある「通気層」も結露発生個所の一つです。

通気層は、胴縁と呼ばれる材料によって、外装材と下地の間に外壁の下部から上部に向かって空気の通り道を作り湿気を外部に放出します。

ところが、実際には、その胴縁が規定通りに施工されず、通気できない通気層になっている現場が多々あり、通気層自体が湿気の溜まり場となってしまっている事があります。

今回は、この通気層での結露の原因についてのお話しです。

木造住宅の通気工法の仕組み

 

1.通気工法とは

通気工法は、下図の様に、湿気が建物下部から上部に向かって抜ける様に空気の抜け道、つまり、通気層を作る工法です。仕組みも工事も単純で、国が規定する最も標準的な木造住宅の工法です。

湿気を通気層から排出する仕組み

 

日本では、セメント製品の外装材「サイディング」が多く、この外装材の貼り方によって通気層の方向が縦または横になります。いずれの場合でも、きちんと通気ができる様守らなければならない規定があります。

下図の縦胴縁または横胴縁と言う材料の間にできた空間が通気層になります。

 

湿気は、下図の様な仕組みで外部に排出します。

通気層から湿気を排出する仕組み

外壁の内側(部屋から見える壁)の裏には、ポリエチレンフィルムなどで湿気が外壁内に漏れるのを防ぐ処置をしますが、木造住宅ではどうしても材料同士の隙間が発生する為、ある程度の湿気は、どうしても外壁内に侵入します。この湿気をいかに効率良く屋外に排出するかがとても重要で、その役割を担うのが通気層です。

この通気層は、胴縁を設置する際の規定があり、それは、通気層を作るための胴縁に空気の通り道となる様に隙間を空けるだけです(下図参照)。その隙間は30mm程度です(下図、※1、※2)。

 

縦胴縁の通気層

横胴縁の通気層

 

 

しかし、この仕組みの単純さからか工事現場ではこの隙間があまり重視されず、「慣れ」による施工によって、通気層に肝心の「通気」が無い状態になっている事が多々あるのが実態です。

それは、次の様な胴縁の施工不良です。

縦胴縁の通気層で滞留する空気

 

この様に、胴縁を隙間なく設置してしまうことで、先に述べた仕組みで外壁内に侵入した室内からの湿気は、閉じられた外装材裏の空間に滞留することになります。この状態が、ほんの数ヶ月続くだけで、外壁内部が結露し建物を劣化させることになります。

 

 

2.通気層に滞留した湿気による建物劣化の仕組み

この滞留した湿気は、その場で結露して水滴になれば、透湿防水シートの表面を伝い外壁下部から排出されるのですが、季節によっては太陽熱で高温になったサイディングが閉じられた通気層の空気を温め、湿気が水蒸気のまま透湿防水シートを逆浸透し、その下地である合板で結露を起こし、材料の腐朽やカビの発生で建物を劣化させることになります。

 

 

3.アイジースタイルハウスの場合

当社は、木造建造物のメンテナンスを100年以上も実施してきた経験から、この新築事業部を立ち上げるに当り、まずは、建物が長持ちするものである事を大前提としました。

この為、いくら工事が単純でも、施工不良を誘発しやすい通気工法は標準仕様に採用せず。代わりに、昔ながらの湿式工法を採用し、建物内の湿気は材料自体が持つ透湿性能によって外部へ排出する「呼吸する外壁」にしています。

木造住宅の建築業者の多くは、昔ながらの湿式工法の弱点を解決する為に、国が標準仕様としている「通気工法」を採用していますが、実際には上で述べた通り、慣れによる施工不良による建物劣化が後を絶ちません。

アイジースタイルハウスでは、湿式工法の弱点を工法の変更では無く、材料の組合せによって解決しており、慣れによる施工不良が発生しない仕組みであることが特徴です。

 

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