もし家を建てるなら

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これでは効かない通気層<結露の原因シリーズ>

/ 家づくりのレシピ /

今回は、結露の原因シリーズの第2回をお送りします。

ここが甘いと、やっぱり効かない通気層になってしまうと言うお話しで、それは、通気ができる様きちんと胴縁を設置したことを台無しにしてしまう箇所です。

外壁通気工法は国内の木造住宅の標準仕様に採用されていますが、細かいけれども配慮が必要なポイントがいくつもあります。しかし、現場では慣れや思い込みによる工事のせいで、せっかくの通気層が効かず外壁結露が発生し、建物を劣化させてしまっている住宅が意外にも多くあります。

今回の記事で、そんな外壁通気工法の注意点をしっかり理解してくださいね。

木造住宅の棟換気

 

 

1.通気は空気の出入り箇所ありき

外壁の通気層は、空気の移動を利用して壁内の湿気を屋外へ排出するものです。

当たり前ですが、その為には空気の入り口と出口が必要です。通気は通常下から上への流れとなるので、外壁通気の場合、外装材の最下部が入り口となり外装材の最上部または屋根の最上部(棟)が出口となります。

どちらか一方がふさがれるだけで空気の流れは滞り、通気層は効かなくなります。

以下に、その入り口と出口を示します。

上図では、2箇所の「壁体気流」と示されているそれぞれの箇所が、空気の入り口と出口です。空気は、外装材最下部より流入し外装材最上部から排出します。

 

下図は、屋根の最上部である「棟」から空気が排出される様子です。空気の流れは緑色の点線で示されています。

 

 

これらは、次の様に空気が流れています。

図の通り、外壁通気層は上記いずれの排気方法でも、軒裏(外壁より飛び出している屋根部分の裏側)から取り入れた空気を屋根裏に通して外部に湿気を排出する仕組みは共通です。

外壁通気の①の排気は、建物内の屋根裏を通ってから棟換気によって排出されます。②の排気では、外装材(サイディング)の最上部から直接屋外へ排出されます。

この様に、サイディングと言う外装材は同じでも仕組みの違う通気方法があります。ところが、現場も監督も設計図書をしっかり確認せず、自分の馴れ親しんだ方法で施工してしまう場合があります。

例えば、次の様な施工によって通気層から空気が排出できないと言う場合です。

これは、先の①の方法による排気の予定だったものが、軒天を先に仕上げてしまい、空気の流れに行き止まりが発生したケースです。

これは、②の方法による施工に慣れている業者や現場監督が、慣れない①の排気方法の場合にやってしまうミスです。

②の排気方法であれば、外装材の最上部に空気が排出できる部材を設置しますが、①に馴染みの無い業者の場合、いつもの慣れで軒天を先に仕上げ、シーリングだけ正常に施工してしまい、その結果通気ができない通気層になってしまうと言う流れです。これは、知識不足と中途半端な確認が原因です。

正しい工事は、次の様になります。

ご覧の通り、軒天よりも通気層が勝つ(優先する)構成によって、通気層の気流は滞りなく屋根裏に流れます。

 

「そんな初歩的なミス、プロがそんな事あるの?」と思うかも知れませんね。しかし、時間に追われた現場では、「慣習」によって時間的なロスをカバーしている部分があります。そして、今回の部分は、①も②も外壁通気工法としては良くある一般的な設計なので誰もが注意を払い忘れる部分となり、実際にミスが発生するケースなのです。

 

また、そもそもの知識不足によって、次の様なミスもあります。(③部分の拡大です)

外装材のサイディング最下部と水切りの隙間が狭すぎて、十分に空気が流入しないと言うものです。これも初歩的なミスですが、驚くことに建築業者でも知らない人は知りません。

 

この隙間、本来は10~15mmの隙間を確保します。

 

2.最後に

いかがでしたか?

説明を聞けば、「当たり前」と思えるこんな単純な通気の仕組みでさえ、現場の知識不足や確認不足、思い込みなどによっていとも簡単に施工ミスが発生しています。しかしながら、この様な注意点は家一軒だけでも大量にあり、また、同じ部位の工事でも今回の様に方法は一つではないので、お施主様がいくら注意して現場を見たところで、とても追いつかないのも事実です。

そんなことから、昨今では第三者による工事中の検査や監査などをお施主様が手配されたり、建築会社が自ら品質確保の仕組みとして取り入れたりする動きもあります。

 

アイジースタイルハウスでも、第三者機関による監査を採用しております。また、監査は完了検査とは違い、工事の後戻りできないタイミングで何度も実施します。そして、その監査箇所は相当な量と細かさです。

ご興味がおありでしたら、どうぞお気軽にお問い合せくださいね。

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